満員電車の中や街中で人とすれ違った際など、ふとした瞬間に他人の頭皮臭を感じて、不快になった経験はないでしょうか?
頭皮のくさいのは男性というイメージがありますが、近年では女性の頭皮臭も強烈になっているといわれています。
- 「職場でエレベーターに乗った際、先に乗っていた同僚が自分から距離を置いている気がする」
- 「電車やバスに乗っていると、周囲の人が鼻を手やハンカチで覆っている人がいる」
など、日常生活の中で自分の周囲に違和感のようなものを感じるようになった、なんてことはありませんか?
もしかすると、それはあなたの頭皮から出る臭いがくさいのかもしれません。
「周囲が気付くくらい強烈な臭いが出ていれば、自分だって気付くでしょう?」と、思うかもしれませんね。
人間は、誰でも大なり小なり体臭をもっているとされていますが、実際に自分の体臭を感じたことはあるでしょうか?
わきがであったり、たくさんの汗をかいた直後など以外では、自分の体臭に気付く人は少ないです。
これは、頭皮の臭いにも言えることです。
たとえば、汗臭やわきが臭は、鼻よりも下で発生するため臭いが上がってきて自分でも気付きやすいですが、頭皮臭は鼻よりも上で発生するため、より気付きにくいのです。
「自分の頭皮の臭いがくさいのでは?」と悩んでいたり、実際に「頭皮がくさい」ことに悩んでいる人には、この記事を読んでいただくことで、頭皮の臭いに関するよりくわしい知識が得られるようになります。
たとえば、「頭皮がくさい原因」や「周囲からどう思われているか」などが分かります。
さらに、その原因を解決するための「頭皮臭予防対策」や「効果的なシャンプーの選び方」なども分かり、それを実践することによってこれまで悩んできた頭皮の臭いの問題も解決していきます。
臭いに関する悩みは、親しい人であってもなかなか相談しにくいものです。
とくに、女性はそうですね。
ですので、最後までこの記事を読んで、辛い悩みを解決させてくださいね。
頭皮の臭いが発生する原因6つとは?
頭皮の臭いが発生するのには、おもに6つの原因が関係しています。
その主な原因には、
- 皮脂
- シャンプー
- ホルモンバランス
- 活性酸素
- 食事
- カビ
などが関係しています。
これらがきっかけとなって頭皮環境がくずれ、それが原因で頭皮がくさくなるのです。
しかし、頭皮の臭いが発生する原因は、この6つだけではありません。
外出する際には、紫外線対策として「帽子」をかぶる人も多いですね。
とくに夏場は、強い日差しを避けるために帽子をかぶりますが、最近の夏の暑さは「命に危険がおよぶ」ほどの猛烈な暑さです。
そのような状況で「長時間が帽子をかぶる」ことは、頭皮から分泌された汗や皮脂がこもり、蒸れた状態になってしまいます。
これも、頭皮の臭いへとつながっていく原因の1つなのです。
また、帽子をかぶる目的である「紫外線」も、頭皮をくさくする原因なのです。
ここでは、頭皮の臭いの原因について、「頭皮が蒸れること」や「紫外線」がどうして臭いにつながるのかも含め、1つずつくわしく解説していきますね。
頭皮の臭い発生原因1.頭の皮脂が酸化する
頭から皮脂が分泌されるのは、なにも臭いに悩んでいる人だけではありません。
どの人も頭から皮脂は分泌されています。
では、どうして頭皮がくさい人と、くさくない人がいるのでしょう?
それは、分泌された皮脂が「酸化」するかしないかが大きく関係しています。
意外に知られていませんが、頭皮から分泌される皮脂量は、顔のなかでも分泌量が多い「Tゾーン(額から鼻すじにかけてのT字ライン)の2倍以上」もあるのです。
その分泌量は、人間の体の中でもっとも多いといわれています。
つまり、頭には「顔の2倍以上の皮脂腺がある」ということになります。
たくさんの皮脂腺が存在していても、適正な量が分泌されていれば皮脂が必要な場所で必要な量だけ使われるため、余分な皮脂が出ることがなく臭いが発生することはありません。
しかし、「何らかの原因」によって皮脂が多く分泌されると、必要な分だけ使われますが、余分な皮脂は使い道がないため頭皮に残ったままとなります。
その余分な皮脂はやがて酸素と結びつき、「酸化」引き起こします。
酸化した皮脂は「過酸化脂質」という、分泌直後の皮脂とは違う物質に変化します。
この過酸化脂質は、頭皮に元々住んでいる細菌(常在菌)のエサになるのです。
常在菌には、頭皮環境をととのえる善玉菌と、頭皮環境を悪化させる悪玉菌、頭皮環境に応じてどちらにもなれる日和見菌の3種類があり、通常はこれらの細菌がバランスよく存在しています。
しかし、過酸化脂質が増えると、常在菌のなかの悪玉菌のエサとなるため善玉菌よりも多くなり、くわえて日和見菌も悪玉菌に変わってしまうため、悪玉菌が一気に増えることになります。
その際、代謝物として「ノネナール」と呼ばれる物質を皮脂に残します。
実は、このノネナールが頭皮の臭い発生させているのです。
ノネナールは、中高年世代の特有な臭いである「加齢臭」の元ともいわれており、その臭いは「古くなった油の臭い」・「青くさい臭い」・「押し入れの中の臭い」などいろいろな臭いに例えられますが、なんとも表現しにくい不快な臭いです。
この不快な臭い「ノネナール」は、過酸化脂質がパルミトオレイン酸(皮脂に含まれる脂肪酸)と結びつくことで作られ、毛穴からその臭いを発生させるのです。
冒頭で、「帽子を長時間かぶる」ことも頭皮の臭いにつながるという話をしましたが、夏場の猛烈な暑さは汗の量だけでなく、皮脂の量も増やすのです。
そのような状況で長時間帽子をかぶり続けるということは、夏の猛烈な暑さに帽子による蒸れがプラスされるため、いつも以上に皮脂の分泌が活発になるわけです。
ということは、皮脂が増える分ノネナールが発生する確率も増えるということになるのです。
頭皮の臭い発生原因2.洗い残しのシャンプーに雑菌が繁殖
頭皮の臭いの元である「ノネナール」は、過剰な皮脂の分泌がきっかけとなって作りだされますが、皮脂が多く作りだされる原因について、これからご説明していきますね。
皮脂が多くなる原因はさまざまですが、その1つが「シャンプーのやり方」にあります。
ものすごく疲れて帰った日は、お風呂に入ることも面倒に感じることもありますね。
そんなときは、シャンプーもいい加減に済ませがちですね。
すすぎをいい加減に済ませてしまうと頭皮にシャンプーが残る場合があり、これが頭皮の臭いへとつながるのです。
シャンプーのなかには、洗浄力の高い「合成界面活性剤(洗浄成分)」を配合したものがあります。
洗浄力が高いほうが、頭皮の余分な皮脂もきれいに洗い流せるのでいいように思いますが、洗浄力が高いほど肌への刺激も強くなります。
このような洗浄力の強いシャンプーを使っている場合、すすぎをいい加減にすると頭皮にシャンプーが残ったままになり、それが雑菌(悪玉常在菌)のエサとなって繁殖してしまい、ノネナールが発生するのです。
また、洗浄力の高いシャンプーは、頭皮環境をととのえるために必要な皮脂や善玉菌までも洗い流してしまいます。
すると、頭皮内の悪玉菌の数が増えてしまい、頭皮の臭へとつながってしまいます。
それならば、肌への刺激が少ないシャンプーならいいの?と思ってしまいますね。
低刺激シャンプーでも、すすぎをきちんと行わないといけわけません。
なぜなら、頭皮に残ったシャンプーが毛穴を詰まらせることになり、それが原因となって同じようにノネナールが発生させてしまうからです。
頭皮の臭い発生原因3.ホルモンバランスによるもの
ホルモンバランスも、皮脂の分泌に大きく関係しています。
とくに女性の場合、排卵日を境にその前後で、2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)の分泌量が入れ替わります。
月経初日から排卵日までは、「エストロゲン」と呼ばれる卵胞ホルモンが多く分泌され、妊娠しやすい体にととのえていきます。
この期間は約2週間つづき、体温も低くなります。
排卵日を過ぎると、今度は「プロゲステロン」と呼ばれる黄体ホルモンが多く分泌されるようになり、着床しやすい環境をととのえるのです。
この期間も約2週間つづき、子宮内で受精卵が育ちやすいよう、体温も高くなります。
このように、女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類がありますが、このうち「エストロゲンは皮脂の分泌を抑える」作用があり、「プロゲステロンは皮脂の分泌を促進させる」作用があります。
月経前になると、顔がテカる・ニキビができるということがよくありますが、これは多く分泌されたプロゲステロンが関係しています。
このことから、排卵後のプロゲステロン量が増える黄体期には、頭皮の臭いがくさくなることがあります。
ホルモンバランスは、さまざまな原因であっという間にくずれてしまいます。
何らかの原因でプロゲステロンの分泌量が増えると、これもまた頭皮の臭いへとつながるのです。
頭皮の臭い発生原因4.活性酸素が多くなることによる頭皮の臭いの悪化
活性酸素は、「老化を早める」ことで知られており悪いイメージが強い物質ですが、体内に侵入した細菌やウイルスを死滅させるはたらきもあることから、人間の健康を維持させるために必要な物質でもあります。
しかし、必要な量を超えてしまうと、その病原菌を死滅させる毒性が自身の細胞へと向けられてしまうため、さまざまな悪影響が起こるわけです。
活性酸素は、乱れた食生活・睡眠不足・飲酒・喫煙など生活習慣の乱れや、ストレスなどの精神的要因などによって作り出されます。
不規則な生活習慣をつづけることで、活性酸素が増えるのは分かる気がしますが、ストレスなど精神的影響によっても活性酸素は増えるのです。
過度なストレスを受けると、心臓や血管などの循環器の活動をコントロールしている自律神経(交感神経と副交感神経から成る)のバランスがくずれ、一時的に血流が悪くなります。
これが原因となって、体内に活性酸素が作られるのです。
ストレスによって作り出された活性酸素は、ホルモンバランスをくずさせて皮脂の分泌を促進させるため、結果的にノネナールを増加させて頭皮の臭いを悪化させます。
紫外線などの外部刺激によっても作られることが分かっています。
紫外線は、シミやそばかすの原因となることで知られていますが、シミやそばかすができるのは、紫外線が皮膚内で活性酸素を発生させるからです。
夏場など、日差しが強い時期に外出をすると、日焼けをすることがありますね。
これは、紫外線による活性酸素から肌を守るための「防御反応」なのです。
紫外線を浴びることによって皮膚内で活性酸素が発生します
その活性酸素の毒性が、肌細胞を攻撃して細胞の機能を低下させ、これによってシミやそばかすが作られていきます。
紫外線は、肌だけでなく頭皮内にも活性酸素を発生させます。
頭皮内に活性酸素が発生すると、皮脂を酸化させて過酸化脂質を作りだします。
過酸化脂質は、ノネナールを作りだす原因物質だと説明しましたね。
つまり、頭皮に活性酸素が増えることも、強烈な臭いを生む原因となるのです。
頭皮の臭い発生原因5.脂っこい食べ物による影響
焼肉やとんかつなどを食べた次の日は、いつもよりも顔がテカり気味になりますが、これは脂肪分を必要量以上に摂りすぎたことが原因で、皮脂の分泌量が増えたことが関係しています。
脂っこい食べ物による皮脂の過剰分泌は、Tゾーンの2倍以上の皮脂腺が存在する頭皮でも同様に起こってきます。
頭皮環境をととのえるための皮脂以外は、過酸化脂質となって悪玉菌のエサと化すため、どんどん悪玉菌が増えていきます。
悪玉菌が増えれば増えるほど、代謝物であるノネナールは増えていくことになるので、頭皮の臭いもくさくなるわけです。
また、肉類にふくまれる動物性タンパク質や動物性脂肪は、悪玉菌が大好きなエサとなります。
悪玉菌が、動物性タンパク質や脂肪をエサにして増殖すると、その代謝物として「インドール」・「スカトール」・「硫化水素」といった悪臭成分を生み出します。
インドールとは、タンパク質が腐敗することで発生する悪臭成分です。
名古屋大学のベンチャー企業であり、腸内環境のチェックが簡単に行える「腸内環境郵送検査キット」を開発した「株式会社ヘルスケアシステムズ」によると、この悪臭成分インドールは体臭や口臭の原因の1つになっているといいます。
また、悪臭を放つだけでなく、血管や内臓そのものにもダメージを与える毒性も持っていると伝えています。
頭皮の臭いも体臭の1つですから、脂分の多い肉類ばかり食べることは、ノネナールだけでなくインドールも増やす原因になるわけです。
スカトールは、動物の糞にふくまれている毒性の悪臭成分であり、体内にあるトリプトファン(必須アミノ酸の1つ)が分解されることで作り出されます。
硫化水素は、腐った卵のような臭いをもつ悪臭成分で、有毒ガスとしても知られています。
このような毒性のある悪臭成分も、脂っこい食べ物から作り出されるのです。
したがって、肉の脂身が好きだからといってそればかり食べていると、やがて頭皮の臭いもくさくなっていく可能性があるのです。
情報参照: 株式会社ヘルスケアシステムズ「腸活チェック」ページ
頭皮の臭い発生原因6.頭皮のカビによるもの
頭皮の臭いの元であるノネナールは、悪玉常在菌の代謝物であることをご説明しましたが、この悪玉常在菌の正体は「カビ」なのです。
頭皮に存在しているカビの代表としては、「マラセチア菌」があります。
このマラセチア菌は真菌(カビの総称)の一種で、誰の皮膚にも存在しています。
普段は、バクテリアなどの病原菌から皮膚を守るなど、肌に悪影響を与えるような菌ではありません。
しかし、不摂生な生活がつづくと、頭皮環境がくずれてマラセチア菌が過剰に繁殖してしまいます。
マラセチア菌が頭皮に繁殖すると、マラセチア菌が代謝した脂肪酸が原因で「脂漏性皮膚炎」を引き起こします。
この脂肪酸は、皮膚に炎症を与えるほか、酸素と結びついて過酸化脂質を作りだします。
つまり、マラセチア菌が増えることは、ノネナールを作る原因を増やすことになるわけです。
また、頭皮で脂漏性皮膚炎が起こると、大量のフケが出ます。
このフケは、悪玉常在菌を増やす原因の1つにもなっています。
頭皮がくさいと周りからどう思われている?
自分ではなかなか気付きにくい頭皮の臭いですが、日常生活でよく接する周囲の人たちはどう思っているのでしょうか?
最近のプリクラは、撮影した画像にスタンプを押したり、文字を書き込めたりしてデコレーションできることから女性を中心に人気がありますが、友達数人と撮影する際には顔を近づけたり、前後2列になって撮影することがあります。
このようなときは、どうしても友達の頭との距離が縮まりやすくなり、頭皮の臭いを感じる場合があるようです。
ある女性ファッション雑誌の公式サイトに、「友人にも相談できないような女性のデリケートな悩みや相談に、その分野の専門家が回答するコーナー」があり、そこに「頭皮の臭い」に関する相談が寄せられていました。
その相談は、「女友達と記念写真を撮ろうと顔を近づけたら、その子の頭が脂臭くてビックリしましたのですが、別に不潔な子ではないのに頭だけ異常にくさいのはなぜですか?」という内容でした。
自分の体臭で悩んで相談することはよくあると思いますが、周囲の人間の体臭(とくにわきがの臭いではなく、頭の臭い)で相談するということは、よほどの臭いでないとしませんね。
こうした相談コーナーに相談するということは、「我慢できないほどの悪臭で、何とかならないか」と思って投稿したことが想像できます。
あまりにも頭皮がくさいと、「自分の周りから友人や同僚が次第にいなくなっていく」ことが予想できます。
なぜなら、誰だって毎日悪臭を嗅ぎたいとは思わないからです。
自分の周りにいる人が不快な顔をしていたり、鼻をおさえるような仕草をしていた場合には、一度自分の頭皮の臭いをチェックした方がいいかもしれませんね。
自分で頭皮の臭いをチェックする方法3つ!

頭皮がくさいと、周りの人達を不快な思いにさせてしまうこともあるため、気持ちのいい付き合いをしていくためにも、一度自分の頭皮の臭いをチェックすることをオススメします。
でも、どうやって自分の頭皮の臭いチェックをすればいいの?と思ってしまいますね。
そこで、「簡単にできる頭皮の臭いチェック方法」を、3つご紹介していきますね。
頭皮の臭いチェック法 その1.枕の臭いをかぐ
毎日使うものとして「枕」があります。
寝ている間にも頭皮からは皮脂が分泌されており、雑菌が繁殖していれば悪臭成分は作られていることになります。
したがって、いつも使っている枕の臭いをかいでみましょう。
枕があまりにも油くさい状態であれば、頭皮の臭いもくさい可能性が高いです。
また、よく帽子をかぶる場合には、その帽子をかいでみるという方法もあります。
頭皮の臭いチェック法 その2.指で頭皮をこする
枕の臭いをかぐ方法は簡単ですぐに分かりますが、枕自体は洗濯できないものが多いため枕カバーを付けますね。
枕カバーを付けていると、枕自体に頭皮の臭いが移りにくいことが考えられます。
また、枕カバーを毎日洗濯している場合には、カバーにも頭皮の臭いが移りにくいです。
そんなときには、「指で直接頭皮を軽くこすって臭いをかぐ」方法があります。
指の腹を頭皮に押さえつけ、軽くこするだけでOKです。
このとき、爪を立ててこすったり強めにこすったりすると、頭皮を傷つけてしまう可能性があるので注意しましょう。
指を使いたくないときには、ティッシュを1枚使って、同じように頭皮をこするといいでしょう。
布やティッシュなどは、皮脂をしっかりと吸収してくれるので分かりやすいです。
頭皮の臭いチェック法 その3.乾いた髪にドライヤーをする

ドライヤーを使っても、簡単に頭皮の臭いチェックができます。
「髪が乾いているとき」に、「ドライヤーを後頭部から前方へ向かって当て」ます。
そして、そのドライヤーの風がくさいかをチェックします。
この方法では、かならず髪が乾いているときに行うようにしましょう。
シャンプー後などに行っても、頭皮汚れが洗い流されているため効果がないのです。
また、シャンプーの香りによって、頭皮臭がかき消されてしまうことも考えられます。
チェックするタイミングとして効果的なのは、「お風呂に入る前(シャンプーをする前)」や「朝目覚めたとき」などがオススメです。
頭皮の臭いをケアするためには+αが必要
「頭皮の臭いをどうにか改善させたい!」と思ったとき、シャンプーに注目することは効果的です。
このとき、自分のイメージとして「香りの強いシャンプー」や、「汚れがよく落ちる洗浄力が高いシャンプー」などがいいと思ってしまいがちです。
なかには、「シャンプーの回数を多くしてみよう」と思う人もいるでしょう。
しかし、自分の判断でシャンプーを選んだり、シャンプーの回数を多くすることは、逆に頭皮の臭いを強くしてしまう可能性があるのです。
頭皮臭のケア対策の1つとして、シャンプーに注目するのはとてもいいのですが、そこから「+αの対策」が必要となります。
ここからは、その+αの対策ポイントをご紹介していきますね。
頭皮の臭いを改善する「おすすめのシャンプーの選び方」
頭皮の臭いのケア対策として、「シャンプーの選び方」はとても大切です。
なぜなら、いくらシャンプーの仕方に気を配ったとしても、選び方が間違っていては頭皮の臭いを改善させることはできないからです。
ここでは、おすすめできるシャンプーを「5つのポイント」とともに、くわしくご紹介していきますね。
頭皮の臭いを改善するシャンプーの選び方1.市販シャンプーは成分を見よう
頭皮の臭いがくさくなるのは、シャンプーに配合されている成分が大きく関係しています。
とくに、汚れを落とすために配合されている「界面活性剤」が、頭皮に大きな影響を与えているのです。
シャンプーを選ぶ際、泡立ちのいいものを選ぶ人もいますね。
しかし、そのようなシャンプーには洗浄力の高い「石油系界面活性剤」が使用されています。
この石油系界面活性剤は、その名の通り、石油を原料とする合成界面活性剤です。
石油系界面活性剤は、泡立ちもよく汚れをしっかりと落としてくれますが、洗浄力のみにこだわって作られており、頭皮への刺激は考えられていません。
そのため、石油系界面活性剤が配合されたシャンプーを使いつづけると、頭皮環境をととのえるための皮脂や、常在菌までも洗い流してしまいます。
すると、頭皮を外部刺激から守る皮脂がなくなってしまうため、頭皮が乾燥してフケを発生させます。
フケは悪玉常在菌のエサになるため、すぐに頭皮の臭いへとつながっていきます。
また、頭皮内の常在菌もほとんど洗い流してしまうため、善玉菌と悪玉菌のバランスがくずれて、頭皮の臭いへとつながっていきます。
こうした理由から、シャンプーを選ぶ際には成分欄をチェックして、「石油系界面活性剤」が使われていないものを選ぶことが重要なのです。
ここで、おもな石油系界面活性剤をご紹介しますね。
- ラウリル硫酸Na
- ラウリル硫酸ナトリウムのことで、石油系界面活性剤のなかの「石油系(通称による)」に分類されます。
泡立ちがよく、洗浄力・脱脂力(油分の除去力)も非常に高いため、昔はよく利用されていました。
しかし、肌への刺激も非常に強く、肌トラブルを起こす人も多かったため、最近ではあまり使用されていません。
- ラウレス硫酸Na
- 初めに開発されたラウリル硫酸Naと名前が似ていますが、この界面活性剤は、ラウリル硫酸Naよりも分子量を大きくして肌への浸透率をおさえることで、刺激を若干弱めています。
ですが、刺激が強いことには変わりがなく、洗浄力の高く泡立ちもいいです。
最近では、ラウレス硫酸Naよりもさらに刺激が低い「ラウレス硫酸アンモニウム」や、「ラウレス硫酸TEA(トリエタノールアミン)」などもあります。
ラウレス硫酸Naも、「石油系」に分類されます。
- (C12-C13)パレス-3硫酸Na
- 別名「ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム」といい、高級アルコール成分を配合した界面活性剤です。
そのため、(C12-C13)パレス-3硫酸Naは石油系界面活性剤のなかの「高級アルコール系」に分類されます。
ラウリル硫酸に似て強い脱脂力・洗浄力をもち、泡立ちもいいです。
タンパク質変性作用(本来のタンパク質の性質とは違う性質に変化すること)があり、肌への刺激が非常に強いです。
洗剤によって肌が荒れることがありますが、これは界面活性剤のタンパク質変性作用が影響しているからです。
- オレフィン(C14-C16)スルホン酸Na
- 別名「α-オレフィンスルホン酸塩酸」とも呼ばれる界面活性剤で、簡単に「AOS」と表記されることもあります。
硫酸系界面活性剤と比べ、洗浄力は高いですが肌への刺激が緩和されています。
そのため、硫酸系界面活性剤の代わりとして利用されることが多いです。
オレフィン(C14-C16)スルホン酸Naも、通称「石油系」に分類されます。
※「ラウリル硫酸~」・「ラウレス硫酸~」・「パレス-3硫酸~」などは、石油系界面活性剤のなかで「硫酸系」として分類され、「スルホン酸~」は「スルホン酸系」に分類されます。
石油系界面活性剤の種類は数多くあり、また成分名が長くて覚えにくいものが多いです。
また、分類の仕方においても「原料大別」・「主原料」・「科学的見解」・「通称」などによっても分類されることがあり、どれがどこに分類されるのか判断しにくいです。
たとえば、石油系・高級アルコール系に分類される界面活性剤を見ても、成分名に「石油」または「アルコール」と入っているわけではないので、素人では見分けられません。
そんなときには、成分表に「○○○○硫酸~」・「○○○○スルホン酸~」などという成分が含まれていないか確認するといいでしょう。
もしも、このような成分が記載されている場合には避けるようにしましょう。
おすすめ界面活性剤は、人間の肌に近く低刺激な「アミノ酸系」の洗浄成分を配合しているもので、「ココイルグルタミン酸Na」・「ココイルグルタミン酸2 Na」・「コミカドプロピルベタイン」・「ラウロイルアスパラギン酸Na」などです。
頭皮の臭いを改善するシャンプーの選び方2.配合されている香料もやっぱり大事!
頭皮の臭いケア対策では、シャンプーに配合されている界面活性剤に注目することが大切で、頭皮環境を悪化させない低刺激なシャンプーが求められます。
しかし、低刺激シャンプーを使い始めたからといって、頭皮の臭いがすぐに消えるわけではありません。
そのため、「シャンプーの香りに注目すること」も大きなポイントとなってきます。
というのも、使い始めたころは頭皮の臭いもくさいので、その臭いを緩和してくれるような香りのシャンプーが効果的なのです。
もしもここで、あまり香りがよくないシャンプーを使ってしまうと、頭皮の臭いと混ざってよく悪臭を放つ可能性があります。
ここで、その香りで利用者の好みが大きく分かれるシャンプー「ディアボーテ HIMAWARI(ひまわり」」を例にとってご紹介しますね。
ひまわりシャンプーの例

「ディアボーテ HIMAWARI」は、Kracie(クラシエ)が販売しているアミノ酸系ノンシリコンシャンプーです。
髪の悩みに合わせて、「ハリ・コシ(ブルー)」・「しっとり(オレンジ)」・「ツヤ(ピンク)」の3種類がラインナップされています。
また、アミノ酸系洗浄成分は1種類ではなく、タイプごとに何種類かをバランスよく調合しています。
アミノ酸洗浄成分にはたくさんの種類があり性質もそれぞれ異なるため、髪の悩みに合わせて調合し、改善効果を高めているのです。
実際にひまわりシャンプーを使った人の口コミを見ても、「頭皮のかゆみが収まった」・「髪がうねらずサラサラになった」など、効果に関する口コミは上々でした。
しかし、良い口コミがあるなかで悪い口コミも目立っており、その内容はほとんど「香りキツイ」・「香りが好きじゃない」というものでした。
ひまわりシャンプーは、時間の経過とともにその香りが3段階(トップノート→ミドルノート→ラストノート)に変化していきます。
- トップ「マンダリンオレンジ・レモン・洋ナシ・ライチ・アクアティック」
- ミドル「ジャスミン・ローズ・スズラン・マリーゴールド」
- ラスト「ムスク・サンダルウッド・アンバー」
- トップ「カシス・ピーチ・アップル」
- ミドル「ローズ・スズラン・ジャスミン」
- ラスト「ムスク・ウッディ・アンバー」
- トップノート「オレンジ・ピーチ・マンゴスチン・パッションフルーツ・カシス」
- ミドルノート「マグノリア・ローズ・フリージア・メロン・オレンジフラワー」
- ラストノート「ウッディ・アンバー・ムスク」
3タイプの香り見てみると、トップでは甘くてさわやかな香りがしますが、徐々に香りが上品になり、最後には香水にも使用される「オリエンタル系な香り」に変化していくのが分かります。
口コミでは「香りがキツイ」・「体調が悪いときには使いたくない」という内容もあったことから、ベースとなっているラストの香りが青くさく感じるのかもしれません。
とくに、ピンクのひまわりシャンプーには、全部で13種類の香りが調合されています。
また、ブルーとオレンジのラストノートでは、ムスクをベースにウッディ・アンバーの順に調合されていますが、ピンクはウッディベースにアンバー・ムスクの順となっており、グリーン系の香りが強く出ると考えられます。
このような香りが苦手な人には、「香りがキツイ」と感じるのかもしれませんね。
ですが、すべての人が「香りがくさい・キツイ」と言っているわけではなく、もちろん「好きな香り」だと答えている人もいます。
低刺激シャンプーを選ぶ人のなかには、頭皮のトラブルを抱えている人もいます。
トラブルを抱えていない人がひまわりシャンプーを使えば、頭皮の臭いとシャンプーの臭いが混ざることはないため、洗いあがりもいい香りに感じる人が多いですが、頭皮がくさい人がこのシャンプーを使うと、香水のような香りと混ざってくさくなってしまうと考えられます。
頭皮の臭いを改善するシャンプーの選び方3.頭皮ケア(スカルプケア)を考えたシャンプーを選ぶ
シャンプーというと「髪の悩みを改善する」というイメージが強いですが、最近では「悪化した頭皮環境をととのえる(スカルプケア)」目的のシャンプーが多くなっています。
「シャンプーは、髪の汚れを落とすものでしょ?」と思う人もいるかもしれませんね。
しかし、健康的で美しい髪に導くためには、髪が生える土台でもある頭皮を健康にすることが大切なのです。
とくに、頭皮の臭いがくさいのは、頭皮環境が悪化している証拠でもあるため、シャンプーを選ぶ際には、「頭皮ケア(スカルプケア)」にこだわったものを使うのが効果的です。
ここで、人気の頭皮ケア(スカルプケア)シャンプーをいくつかご紹介しますね。
頭皮の臭いの原因をケアするシャンプー1『haru 黒髪スカルプ・プロ』

頭皮に刺激を与える合成成分は使用せず、100%天然由来成分から作られている「ノンシリコンアミノ酸系シャンプー」です。
肌に刺激となる成分が入っていないため、肌の薄い赤ちゃんにも使用できます。
頭皮環境をととのえて、「マイナス5歳の髪」を目指すコンセプトのもとで開発されました。
香料には天然精油を使用し、上品な柑橘系のやさしい香りです。
頭皮の臭いの原因をケアするシャンプー2『CU(チャップアップ) オーガニックシャンプー』

10種類のオーガニック成分と22種類の植物性成分から作られた、アミノ酸系ノンシリコンシャンプーです。
人気育毛剤「チャップアップ」のメーカーが開発した、頭皮環境改善に特化したシャンプーで、余分な皮脂は落としながらも、必要な分だけは残す絶妙な洗浄力で洗いあげます。
香りは、やさしいフルーティーローズの香りで、香水をつけていても邪魔しません。
頭皮の臭いの原因をケアするシャンプー3『MICHILUNO-PROⅦ』

ノンシリコンケア専門店「ミチルノ」とサロンが共同開発した、アミノ酸系ノンシリコンシャンプーです。
12種類の植物オイルと7種類の植物エキスで、頭皮をいたわりながらやさしく洗上げます。
香りには、オーガニックローズ(ブルガリア産ダマスクローズ)の天然精油を使用し、心地よく上品な香りを楽しめます。
頭皮の臭いを改善するシャンプーの選び方4.クレンジング成分が入っているかどうかもポイント
頭皮の臭いがキツイ場合には、「クレンジングシャンプー」が効果を発揮してくれます。
このシャンプーは、ほどよい洗浄力のアミノ酸系シャンプーでは落としきれない「スタイリング剤の汚れ」や、毛穴につまった皮脂汚れを効果的に落としてくれるシャンプーです。
洗顔料でたとえると、メイク汚れや角栓などを効果的に洗い流してくれる「クレンジング剤」とおなじ役割です。
このシャンプーを使うことで、頭皮の臭いの原因である過酸化脂質(皮脂が酸化したもの)や、増殖した悪玉常在菌もしっかりと洗い流すことができ、頭皮のバランスをととのえて不快な臭いを消していきます。
「スカルプケアシャンプーと一緒じゃないの?」と思うかもしれませんね。
スカルプケアシャンプーは、スタイリング剤などのガンコな汚れを落とすことではなく、「頭皮に必要な皮脂や常在菌を残しながら、やさしく洗いあげる」ことに重点をおいているシャンプーです。
そのため、肌が敏感で刺激の強いシャンプーが使えない人や皮膚の薄い赤ちゃんでも、安心して毎日使えるものが多いです。
一方、クレンジングシャンプーは、「一般的なシャンプーでは落としきれないガンコな油汚れを落とす」ことが目的のシャンプーとなっています。
ガンコな油汚れを浮かすためには、同じ油分である「オイル」と、水分からなる皮膚とのなじみをよくする「界面活性剤」が必要です。
スタイリング剤の油分に、シャンプーに配合されたオイルの油分がなじみ、さらに界面活性剤のはたらきで「乳化(油分と水分が混ざり合う現象)」を起こし、頭皮に残ったガンコな油汚れや、毛穴の奥の皮脂汚れを効果的に落としていきます。
そのため、スカルプケアシャンプーよりも洗浄力が高めです。
商品にもよりますが、基本的には1週間に1回~2回の頻度で使用します。
頭皮のクレンジング成分として利用されているのは、「植物オイル+アミノ酸系洗浄成分」をベースに、消臭作用のある「カキタンニン」や「茶葉エキス」などがあります。
※商品によっては、肌への刺激を極力おさえた石油系界面活性剤を使用し、肌へのダメージをおさえる保湿成分を多く配合したものもあります。
ここで、オススメなクレンジングシャンプーをいくつかご紹介しますね。
頭皮の臭いの原因をしっかり落とすクレンジングシャンプー1『Le Ment(ルメント) 高濃度炭酸オイルシャンプー』

5000ppmの高濃度炭酸を配合したクレンジングオイルシャンプーで、この高濃度炭酸がキメの細かい濃密泡を作りだします。
ルメントは、オイルに保湿力の高い「バオバブ種子オイル」・「アルガンオイル」・「テオブロマグランジフロルム種子オイル」などを使用し、界面活性剤は「アミノ酸洗浄成分」を使用しています。
3回に1回の使用頻度で十分なクレンジング効果が得られ、頭皮の臭いを改善していきます。
頭皮の臭いの原因をしっかり落とすクレンジングシャンプー2『the MILLS エイジングケアシャンプー』

スカルプケアシャンプーのように低刺激なのに、天然由来の頭皮クレンジング成分によって頭皮のイヤな臭いを除去してくれます。
3種類のアミノ酸洗浄成分を使用し、余分な皮脂を落としながらオイルとの乳化の役割も果たします。
植物オイルは、ホホバオイル・マカダミアナッツオイル・アボカドオイル・ヘーゼルナッツオイル・月見草オイル・シアバターが配合されており、頭皮の油汚れを浮かしながら、血行を促進させます。
また、6種類の天然精油(ローズヒップオイル・ブドウ種子オイル・メドウフォームオイル・コメ胚芽オイル・アーモンドオイル・ツバキオイル)が、毛穴につまった皮脂汚れを浮かしながら、心地よい香りを与えます。
5.育毛シャンプーや育毛リンスで改善できる場合も!
香りのいいシャンプーも大切ではありますが、それは一時的な消臭効果しか得られず応急処置としては有効ですが、頭皮の臭いの根本改善にはつながりません。
年齢を重ねてくると女性でも薄毛になりやすく、とくに頭皮環境がくずれて悪臭が出ている状態がつづくと、健康は髪が生えにくくなっていき薄毛が進行してしまう危険性があります。
育毛シャンプーや育毛リンスは、「頭皮環境改善」と「毛髪の成長促進」を目的とした「医薬部外品の薬用シャンプー」です。
医薬部外品に指定されるには、「有効成分がゆるやかに効くこと」・「高い安全性」が認められた、医薬品と化粧品の中間に該当するものです。
医薬部外品に指定されている製品は、有効成分の配合割合にも一定の基準があるため、より効果を実感しやすいというわけです。
育毛シャンプー・育毛リンスには、頭皮ケア成分のほかにイヤな臭いをおさえる消臭成分なども配合されているものがあり、そのような育毛シャンプーを使用することで、頭皮の臭いを効果的に消すことが可能です。
頭皮の臭いをおさえる消臭成分としては、「カキタンニンエキス」・「ローズマリーエキス」・「ラベンダーエキス」・「イチョウ葉エキス」・「緑茶エキス」などがあります。
ここで、医薬部外品に指定されている育毛シャンプー・育毛リンスをご紹介しますね。
消臭もできる育毛シャンプー『ORBIS scalp ism(スカルプイズム) シャンプー&コンディショナー』

有効成分として「ピロクトンオラミン」と「グリチルリチン酸ジカリウム」が配合されています。
ピロクトンオラミンは、頭皮の臭いの原因となるマラセチア菌(悪玉常在菌)の活動を抑制させるはたらきがあります。
グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)は、甘草という生薬に含まれている成分で、肌への刺激が少ないうえ高い消炎作用があることから、頭皮の炎症をおさえます。
この2つの有効成分は、シャンプー・コンディショナーのどちらにも配合されています。
ドラッグストアで買えるシャンプーには注意!頭皮が臭くなる原因となるかも?
ドラッグストアに行くと、さまざまな種類のシャンプーが販売されていますが、ドラッグストアなどでシャンプーを購入するときには注意が必要です。
それはなぜかというと、「価格重視」の製品も含まれているからです。
シャンプーを買う際にはかならず価格をチェックすると思いますが、製品によってシャンプーだけで1,000円以上するものもあれば、500円以下のものもあります。
とくに、安価なシャンプーは「大量生産」されているため、原料が安価で大量に確保できる化学合成成分が使われています。
たとえば、「石油系界面活性剤」がそれにあたります。
つまり、価格重視で販売されているシャンプーを選んでしまうと、強い洗浄力と肌への刺激によって、頭皮の臭いをさらに悪化させる可能性が高くなります。
シャンプーだけで1,000円以上もすると「高い」と思ってしまう人もいるかと思いますが、頭皮の臭いを改善させるためには「成分重視のシャンプー」を選ぶことが大切なのです。
ドラッグストアには、安価なシャンプーも販売されていますが、頭皮や毛髪のケアを目的とした成分重視のシャンプーも販売されています。
そのため、ドラッグストアでシャンプーを選ぶ際には、安価なものは避け多少割高でも成分にこだわったものを選びましょう。
頭皮の臭いをとるシャンプーの仕方とは?
たとえ、頭皮の臭いを改善できるシャンプーを選んだとしても、その仕方が間違っていると、シャンプーの効果を発揮させることができません。
間違ったシャンプーの仕方で多いのが、「1日に何度もシャンプーをする」・「爪を立ててゴシゴシ洗う」・「すすぎを簡単に済ませる」などがあります。
頭皮の臭いをとるシャンプーの仕方でもっとも大事なのは、「すすぎをじゅうぶんに行う」ことです。
頭皮がくさいのは、酸化した皮脂や古い角質が残ることで、悪玉常在菌がそれをエサとして繁殖するからですが、悪玉常在菌は洗いのこしたシャンプーもエサにします。
そのため、頭皮にシャンプーを残さないことがもっとも大切であり、すすぎには十分に時間をかけ、1日に何度もシャンプーをしないように注意しましょう!(1度のシャンプーで複数回洗うのもNGです!)
正しいシャンプーの仕方については、以下の記事でくわしくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
シャンプーをするタイミングにも気を付けよう!
頭皮の臭いを改善させるためには、正しいシャンプー仕方とともに「シャンプーをするタイミング」にも気を付ける必要があります。
とくに、「朝シャンプーをする」という人は注意が必要です!
夜にシャンプーをするより朝したほうが、シャンプーの香りで頭皮の臭いを消せる気がしますね。
しかし、これが間違っているのです。
体臭・多汗研究所所長で、五味クリニック(東京都新宿区)の院長である五味常明先生によると、頭皮の臭いがくさくなる原因は「朝シャンプー」が大半を占めていると指摘しています。
多くの人が職場や学校に向けて朝家を出ますが、朝シャンプーをした直後に外出するということは、シャンプーで皮脂が洗い流された状態で外出するということになり、紫外線などの外的刺激を受けやすくなります。
頭皮の皮脂は、表面に薄い膜を作って外的刺激から頭皮を保護する重要な役割があり、その皮脂が朝シャンプーによって洗い流されてしまうと、頭皮環境がくずれて臭いにつながってしまうのです。
五味先生は、とくに「過剰なシャンプーによって皮脂をとりすぎる」と、頭皮保護のため一刻も早く皮脂補おうと、過剰に皮脂が分泌されるとも指摘しています。
つまり、朝シャンプーをすることで皮脂の分泌量がアップし、臭いにつながるわけです。
やはり、シャンプーをするうえでもっとも適しているタイミングは「夜」です。
夜にシャンプーをすることによって、朝使ったスタイリング剤や1日の皮脂汚れを落とすことができ、それによって睡眠中の頭皮の臭い改善効果が高まるからです。
頭皮の臭いが出ないようにするための対策7選
頭皮の臭いを出さないようにするには、シャンプーの選び方や仕方などに気を付けるとともに、それ以外の対策も合わせて行っていくとより効果的です。
そこで、ここからは頭皮の臭いを出さないための対策をいくつかご紹介しますね。
頭皮の臭い対策 その1.頭皮の臭いを消すスプレー
頭皮の臭いに悩んでいる女性を中心に、今人気となっている頭皮ケア商品があります。
それが、頭皮ケア専用のハーブ配合美容液『クリアハーブミスト』です。

クリアハーブミストは、製薬会社とメーカーが10年かけて共同開発した「頭皮専用の美容液」で、頭皮にいい効果をもたらす原料のみで作られています。
その効果は高く、モニターの91.7%が頭皮の臭い改善効果を実感しています。
有効成分にはとことんこだわっており、3つのおもな成分が、頭皮の臭いのもとに直接アプローチして臭いを消し去ります。
成分その①ローズマリーエキス
長野県伊那産のローズマリーから抽出した、「ローズマリーエキス」が配合されています。
ローズマリーは精油としても利用されるハーブで、肉類の臭み消しにも利用されます。
さまざまな効果・効能を持っており、頭皮の消臭、フケ・かゆみの改善、抗菌作用、血行促進作用などがあります。
また、心地よい香りがリラックス効果も与えてくれます。
成分その②白ビワ葉エキス
ビワの葉には、肌の調子を整える作用もつ「アミグダリン」というビタミンの一種が含まれており、頭皮にハリを与えてくれます。
ビワのなかでも、幻ともいわれる白ビワの葉には、一般的なビワのおよそ2倍のアミグダリンが配合され、その整肌効果・ハリ効果ともに他社の同類製品の2倍以上となっています。
クリアハーブミストでは、収穫期間は1年のうちでわずか2週間ほどという、静岡県伊豆市土肥産の白ビワを使用しています。
収穫期間の短さから「幻の白ビワ」とも呼ばれています。
成分その③植物5種のミックスエキス
コケモモ(抗酸化作用)・サトウキビ(保湿効果)・カエデ(角質除去作用)・オレンジ(保湿・美白作用)・レモン(保湿・抗酸化作用)からエキスを抽出して、それらを濃縮調合したマルチエキスを配合しています。
これにより、頭皮の臭いのもとにさまざまな角度からアプローチし、根本から改善させ健康な頭皮に導きます。
そのほかにも、フケやかゆみを改善させるサクラ葉エキス・オウバクエキス・クロレラエキスなども配合されています。
さらに、頭皮に刺激を与え有効成分の効果を低下させる石油系界面活性剤・パラベン・エタノール・合成香料・シリコン・紫外線吸収剤・鉱物油なども一切配合していません。
そして、厳しい検査基準に合格した国内工場において、徹底した品質管理のもと製造されているので、誰でも安心して使用することができます。
実際にハーブミストを使用した人の口コミを見てみると、多くの人が使い始めて1か月以内に効果を実感しており、高評価を付けていました。
また、よい口コミをしている人の多くは、「ハーブミストのリピーター」となっていました。
頭皮ケア製品には、ハーブミストのような強い味方もあるので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
くわしくは、ハーブミスト公式サイトをご覧ください。
頭皮の臭い対策 その2.ヘアコロンを使う
どうしても外せない大切な会議や取引先の人との商談があるなど、人と接するうえでの最低限のマナーとして、「そのときだけでも頭皮の不快な臭いを消したい!」と思うときもありますね。
そんなときには、「ヘアコロン」を使用するといいでしょう。
しかし、これはあくまでも応急処置としても臭い消しです。
ヘアコロンを使用すれば、数時間は頭皮の臭いを軽減させることが可能です。
ですが、時間の経過とともにヘアコロンの効果はなくなり、頭皮の臭いが復活してきます。
それをおさえようと再びヘアコロンを使うと、頭皮の臭いとヘアコロンの臭いが混ざってより臭いがきつくなる可能性があります。
また、ヘアコロンを1度にたくさん吹きかけたことで、頭皮にヘアコロンの成分が付着して悪玉常在菌を増やしてしまうことも考えられます。
こうなると、さらに臭いは強くなりヘアコロンでは臭いを防ぐことができなくなってしまいます。
そのため、ヘアコロンを使用するのは必要なときだけにしましょう。
頭皮の臭い対策 その3.ビタミンCを多く摂る
「ビタミンCは美容に効果的」ということはよく知られていますね。
これは頭皮にも言えることで、ビタミンCは頭皮環境を改善させるうえで、積極的に摂取したい成分の1つです。
ビタミンCには、「コラーゲン」・「ヒアルロン酸」・「エラスチン」などの保湿成分の生成を促進させるはたらきがあります。
これらの保湿成分が頭皮内を満たすことで、頭皮にうるおいとハリを与え頭皮環境を正常に導きます。
そのほかにも、強力な抗酸化作用があり、頭皮の臭いの原因でもある活性酸素の活動をおさえ、悪玉常在菌の繁殖を抑制させます。
ビタミンCが不足すると、肌の老化が進むとともに血管の老化も進みます。
そのため、頭皮にじゅうぶんな酸素を栄養分が行きわたらなくなり、臭いが悪化してしまいます。
そのため、ビタミンCは外側(頭皮ケア製品)からだけでなく、内側(食品など)からも積極的に摂取することが大切です。
1日に摂取したいビタミンCの量としては、「成人男女が100㎎」・「妊婦が110㎎」・「授乳婦が145㎎~150㎎」程度となっています。
ビタミンCが多く含まれている食品としては、赤パプリカ(170㎎/100g)・芽キャベツ(160㎎)・黄パプリカ(150㎎)・パセリ(120㎎)・レモン(100㎎)・柿(70㎎)・キウイ(69㎎)などです。
ビタミンCの効果を高めるためには、「加熱しない状態」で摂取するのがオススメです。
なぜなら、ビタミンCは「水溶性」で「熱に弱い」ため、調理してしまうと摂取量が減ってしまうのです。
ビタミンC含有量の多いパプリカは、スライスしてサラダに加えるとおいしくいただけます。
ただし、スライスした後に水につけてしまうと、ビタミンCが水に溶けてしまうので注意が必要です。
ビタミンCを安定して摂取するためにも、食事で足りない分はサプリで補うもの効果的です。
頭皮の臭い対策 その4.乳酸菌を摂る
頭皮の臭いには、「食生活」も大きく関係しています。
脂っこい食事を続けていると、頭皮がくさくなるとご説明しましたね。
それは、腸内細菌のバランスがくずれ、善玉菌よりも悪玉菌が増えてしまうことで、悪玉菌が作りだす有毒代謝物(インドール・スカトール・硫化水素など)が体臭成分となって体内をめぐるからです。
藤女子大学人間生活学部の池田隆幸先生によると、腸内環境が悪化して便秘になると、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が少なくなり悪玉菌が増え、その悪玉菌が腐敗することでアンモニアなどの悪臭成分を生むとしています。
さらに、その悪臭成分は腸内から血管へと吸収され、血液に乗って全身をめぐることで頭皮の臭いにつながるとも指摘しています。
ある「腸内細菌の研究」によると、便秘の人の腸内は、健康な人の腸内とくらべて「ビフィズス菌の数が2分の1程度まで減少していた」という結果が出ています。
さらに、池田先生は「便の臭いは、腸内環境の良し悪しを判断するバロメーター」とも言っています。
このことは、頭皮の臭いにも当てはまることで、頭皮が臭うということは、「悪臭成分が全身を巡って頭皮にもやってきた証拠」でもあります。
そのため、乳酸菌やビフィズス菌を積極的に摂って、腸内環境の改善に努めることが大切です。
腸内環境をととのえるためには、悪玉菌よりも善玉菌の数を増やしてあげると効果的です。
善玉菌の代表には「乳酸菌」があり、乳酸菌はヨーグルト・チーズなどの乳製品や、キムチなどの漬物にも多く含まれています。
とくにヨーグルトにおいては、強い酸性の胃液にも死滅せず腸まで到達できる「生きた乳酸菌」を配合した商品も多く登場しており、こうした強い乳酸菌を含んだものを摂り入れるといいでしょう。
乳酸菌は1日に最低200g~300gは摂取する必要があるといわれていますが、毎日ヨーグルトを300g程度食べつづけることは難しいですね。
それに、食べたヨーグルトによって乳酸菌の種類も違い、腸まで到達できる乳酸菌の数も変わってきます。
そのため、毎日乳酸菌を多く含む食品を摂りつつも、不足分は乳酸菌サプリで補うようにすると1日に必要な量を摂取できます。
頭皮の臭い対策 その5.健康的な食事習慣を心がける
腸内環境を効果的に改善させるためには、乳酸菌と一緒に「野菜」もたくさん摂取することが大切です。
このことは、乳酸菌の項目でもご紹介した藤女子大学の池田先生もおっしゃっています。
便秘などで腸内環境が悪化した場合には、ヨーグルトなどの「発酵食品」とともに、野菜に含まれる「食物繊維」をしっかりと摂ることが大切だと指摘しています。
野菜に多く含まれる食物繊維は、腸内にたまった便をからめとるようにして排出させるはたらきがあり、便秘改善効果を得ることができます。
また、食物繊維自体が、乳酸菌やビフィズス菌などのエサとなって、善玉菌をふやすはたらきもします。
そのため、頭皮の臭いを出さないようにするには、脂っこい食生活から、「発酵食品や野菜を中心とした栄養バランスのいい食生活」に変えていくことが大切です。
健康的な食事に関しては、以下の記事でさらにくわしくご説明しているので、あわせてご覧ください。
頭皮の臭い対策 その6.ストレスを上手に解消する
ストレスをためていると、皮脂の分泌量を正常にコントロールしている自律神経のバランスをくずしてしまい、皮脂が過剰に分泌されることで頭皮の臭いを発生させます。
そのため、なるべくストレスをためないように努めることが大切であり、もしもストレスがたまっていると感じたときには、上手に解消していくようにしましょう。
たとえば、自分の趣味を存分に楽しむことで嫌なことを忘れることができ、「また明日からがんばろう!」と前向きに考えられるようになります。
ポジティブに考えられるようになると、悩みごとも小さく感じられるようになるのでストレスをためにくくなります。
また、音楽やアロマテラピーなどでリラックスするのもいいでしょう。
ストレスを上手に解消する方法については、以下の記事にてくわしくご紹介していきますね。
頭皮の臭い対策 その7.睡眠の質を高める
頭皮の臭いの原因には、「睡眠不足」も関係しています。
睡眠といってもただ長時間眠ればいいのではなく、いかに「睡眠の質を高める」かが重要です。
眠りには、深い眠りと浅い眠りが交互に訪れ、そのサイクルと何回か繰り返して朝を迎えます。
深い眠りが訪れることで「成長ホルモン」と呼ばれる疲労回復ホルモンが多く分泌され、細胞や組織を再び活性化させることができます。
深い眠りがしっかりとれている人は、頭皮環境もととのっているので臭いが発生しにくいのです。
しかし、深い眠りがじゅうぶんでない人は、朝目覚めても熟睡できた感じがせず睡眠不足なりがちです。
深い眠りがじゅうぶんでないと、成長ホルモンの分泌量が少ないため頭皮環境がくずれやすく、臭いの発生につながりやすいのです。
そのため、熟睡できる環境を整えることも大切な対策の1つとなります。
睡眠の質を高める方法については、以下の記事で、くわしくご紹介しているのであわせてご覧ください。
寝具を清潔に保つ工夫もすると頭皮の臭いは和らぐ!
睡眠の質を高めるためにも寝具を清潔に保つことは重要ですが、頭皮の臭い対策においても、清潔な寝具を使うことは大切なことです。
なぜなら、寝具に雑菌が繁殖していると、その「雑菌が頭皮にうつって臭いの原因となる」からです。
とくに、枕は頭をのせるものですから、不潔にしていると頭皮の臭いにつながりやすいです。
そのため、枕にはかならず枕カバーを付けるようにし、できれば毎日交換するように心がけましょう。
また、布団カバーやシーツは最低でも1週間に1回のペースで交換し、布団や毛布は天気のいい日に天日干しを行いましょう。
布団や毛布を天日干しにする際、そのまま干しただけでは、内部の温度がそれほど上がらないためダニが死滅しにくいです。
そのため、布団や毛布のうえから黒い布やシーツなどをかぶせ、内部の温度を上げるようにして干すのがオススメです。
アラフォーから頭皮の臭いが強くなる
頭皮の臭いを気にする年齢は、おもにアラフォー(40代以降)が多い傾向にあります。
それは、年齢を積み重ねてきたことによって、酸化した皮脂(過酸化脂質)が毛穴にたまります。
とくに女性の場合、40歳を過ぎたころから妊娠しやすい体を作りだす「エストロゲン」という女性ホルモンが徐々に減少していきます。
このエストロゲンは、ほかにも「皮脂の分泌をおさえる」はたらきもあります。
そのため、20代・30代の女性は頭皮の臭いが発生しにくいのです。
しかし、40代を過ぎるとエスロトゲンが減少しだし、「プロゲステロン」と呼ばれるもう1つの女性ホルモンとのバランスがくずれてきます。
プロゲステロンは、受精卵を育てるはたらきをもっていますが、そのほかに「皮脂の分泌をコントロールする」はたらきもあります。
つまり、アラフォーになるとプロゲステロンのはたらきで皮脂が多く分泌されても、エストロゲンが少ないためそれを抑制させることができなくなり、結果的に皮脂量が多くなって頭皮の臭いにつながるのです。
また、肌の老化が進むことによってターンオーバー(皮膚の成長サイクル)が低下すると、古い角質がはがれにくくなって肌の表面残りやすくなります。
それらがどんどん蓄積されていくことで悪玉常在菌が増え、頭皮の臭いのもとである「ノネナール」が増えるのです。
このノネナールは「加齢臭」の原因ともいわれており、周囲を不快な気分にさせるイヤな臭いです。
このことは女性だけに限ったことではなく、男性も同じようにアラフォーになると頭皮の臭いが強くなります。
ですので、「自分はいつも清潔にしているから大丈夫!」と思うのではなく、「もしかすると、頭皮の臭いが出ているかも!?」と頭皮のケアに心がけるようにしましょう。
男は女性よりも頭皮ケアを重点的に!
男性と女性とでは頭皮の皮脂分泌量は違っており、男性のほうが女性よりも分泌量が多いです。
また、その皮脂は女性よりもベタついている傾向にあります。
これは、日ごろの食生活(脂肪分の多い食事・アルコール)や、生活習慣(疲労蓄積・ストレス・睡眠不足)などが関係しているためです。
また、男性特有の薄毛症状(AGA)によって、頭皮の血行が悪くなり環境が悪化しがちです。
こうした要因がいくつも重なることで、すぐに頭皮の臭いにつながっていきます。
とくに男性の場合、年齢を重ねることによって頭頂部の薄毛が目立ちやすく、頭皮が直に紫外線などの外的刺激をうけることになります。
すると、頭皮環境もくずれやすくなり臭いが強くなるほか、薄毛も進行してしまいます。
そのため、男性が頭皮の臭いを改善させる場合には、「女性よりもさらに頭皮ケアに重点をおく」ようにしましょう。
これにより、頭皮の臭いだけでなく薄毛の症状も軽減させることができます。
頭皮がくさいのを防ぐために「ヘッドスパ」を美容室で定期的にやってもらおう!
美容室では、カットやパーマ、カラーなどのほかに「ヘッドスパ」も行ってくれます。
ヘッドスパは、美容室のシャンプー台を利用して温水をあてながら頭皮をやさしくマッサージしていくトリートメントです。
頭にはたくさんのツボがあり、美容師さんは頭皮や毛髪の健康に効果的なツボを押しながら血行を促進させていきます。
ある美容師さんが実際にヘッドスパで押しているツボは、実に10か所にもおよびます。
たとえば、頭頂部周辺にある7つのツボで、真上から前方・こめかみにかけて「百会(ひゃくえ)」・「前頂(ぜんちょう)」・「通天(つうてん)」・「目窓(もくそう)」・「上星(じょうせい)」・「神庭(しんてい)」・「太陽(たいよう)」があります。
また、後頭部の下部にある3つのツボ「風池(ふうち)」・「天柱(てんちゅう)」・「亜門(あもん)」があります。
これらのツボを、プロのテクニックでやさしくマッサージしてくれるので、むくみが取れてスッキリします。
むくみが取れるとリンパの流れがよくなるため、頭にたまっていた老廃物も流され、血行が促進されます。
血行が促進されると、頭皮の細胞も活性化されるので頭皮環境がととのい、皮脂と常在菌のバランスもよくなります。
こうした理由から、頭皮の臭い改善&予防として、定期的に美容室でヘッドスパを受けることをオススメします。
自宅で頭皮のにおいを取るためにヘッドスパをするなら?
忙しくてなかなか美容室に行けないという人には、自宅で簡単にできるヘッドスパをご紹介しますね。
自宅ヘッドスパ方法① 頭皮クレンジング
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シャンプーをする前に、スタイリング剤などのガンコな油汚れや、酸化した皮脂などを洗い流します。
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クレンジングオイルを頭皮に付けてなじませ、親指以外の4本の指の腹で、弧を描くようにやさしくマッサージします。
このとき、爪は立てないように気をつけましょう。
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頭皮全体をマッサージしたら、蒸しタオルをかぶせ、3分~5分おきます。
クレンジングでは、「頭皮用のクレンジングオイル」がオススメで、とくに安心して使えるオーガニック製品がいいです。
ここで、オススメの頭皮用オーガニッククレンジングオイルをご紹介しますね。
『インカオイル オーガニックホホバ ゴールド』
容量:120mL
価格:Amazonにて税込2,400円
『SimSim(シムシム) セサミヘッドマッサージオイル』
容量:250mL
価格:Amazonにて税込4,104円
自宅ヘッドスパ方法② シャンプーをしながらマッサージ
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シャンプーを頭皮と髪に付ける前に、泡立てネットでしっかりと泡立てておきます。
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クレンジング同様に、指の腹を使ってマッサージするように洗います。
泡で髪をつつみ、頭皮は泡の弾力を利用して洗うとダメージが少ないです。頭皮にはいくつもの毛細血管が通っているので、マッサージしながら洗うと血行がよくなります。
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シャンプーの洗い残しは頭皮の臭いにつながるので、しっかりとすすぎましょう。
このとき、体温くらいのぬるめのお湯ですすぎます。こうすると、必要な皮脂がのこりやすくなります。
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トリートメントの前に、軽くタオルドライをします。
これによって、トリートメント成分が浸透しやすくなります。
自宅ヘッドスパ方法③ 髪のトリートメント
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トリートメントを手にとり、髪にやさしくなじませます。
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3分~5分ほど放置し、その後しっかりとすすぎます。
自宅ヘッドスパ方法④ ドライヤー
ドライヤーは髪だけを乾かせばいい気がしますが、頭皮を乾かすことも大切です。
頭皮が湿っていると雑菌繁殖の原因となり、臭いの原因になります。
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洗い流さないトリートメントを髪になじませます。
頭皮には付けないようにしましょう。
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髪の根元と頭皮にドライヤーをあて、しっかりと乾かします。
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髪の毛先から中心のぬれている部分を、同様にしっかりと乾かしましょう。
自宅ヘッドスパ方法⑤ 頭皮や顔のリンパマッサージ
最後に頭全体と顔・首筋のマッサージを行いましょう。
クレンジングやシャンプーのときにもマッサージをするので、それぞれのステップでマッサージする箇所を決めておくと、最後のマッサージ時間を短縮させることができます。(たとえば、クレンジングでは側頭部~頭頂部、シャンプーでは後頭部、最後に顔マッサージを行うなど。)
ここで、頭頂部・後頭部・顔のマッサージの仕方を簡単にご説明しますね。
リンパマッサージのやり方:側頭部~頭頂部のマッサージ
1.両手を開いて丸くし、人差し指の腹が耳のうしろにくるようにして頭にあてます。
2.それぞれの指を髪の根元に入れ込むようにして押し当て、頭のラインに沿いながら頭頂部に向かってマッサージしていきます。
側頭部から頭頂部に向かって、気持ちよく感じる強さで数回行いましょう。
リンパマッサージのやり方:後頭部のマッサージ
1.首のうしろにある頸椎(けいつい)のつけ根に、両親指をあてます。
このとき、親指以外の4本の指は、頭頂部付近にあてるようにします。
2.親指の腹の部分を使って押しながらマッサージします。
気持ちよく感じる強さで、首のつけから耳のうしろ付近まで行いましょう。
リンパマッサージのやり方:顔のマッサージ
頬・こめかみ・首すじのコリをとりましょう。
1.両親指を曲げ、第二関節を両頬の骨のつけ根(小鼻のあたり)にあてます。
2.頬骨のラインに沿って、クルクルと弧を描くように耳へ向かってマッサージします。
3.こめかみに両手の人差し指・薬指をあて、クルクルとやさしくマッサージします。
4.耳のうしろに人差し指・薬指・中指をあて、首筋のラインに沿って肩までさすりましょう。
こうすることで、マッサージによって耳のうしろに集められた老廃物を、効果的に肩へと流すことができます。
それでも頭皮の臭いが治らない場合は?

ここまでご紹介した対策を行っても頭皮の臭いが治らない場合、病気の可能性が考えられます。
頭皮の臭いが発生する病気としては、「脂漏性皮膚炎」・「魚臭症」・「糖尿病」などが考えられます。
頭皮の臭いの原因となりうる病気1:脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
皮脂が過剰に分泌されることで、それをエサとする常在菌でありカビの一種であるマラセチア菌が増殖することで起こります。
マラセチア菌は、加齢臭の原因であり頭皮の臭いのもとである「ノネナール」を発生させるため、脂漏性皮膚炎になると頭皮の臭いが強くなります。
それとともに「大量のフケ」が発生します。
したがって、頭皮の臭いが改善されずフケも多いときには、脂漏性皮膚炎を疑ったほうがいいかもしれません。
頭皮の臭いの原因となりうる病気2:魚臭症(ぎょしゅうしょう)
「トリメチルアミン尿症」とも呼ばれ、魚が腐った時のような臭いを発生させます。
食べ物を消化する際に発生するトリメチルアミンが、分解されずに体内を巡ることで頭皮に臭いが発生します。
とくに、肝機能の低下やホルモンバランスのくずれから発症します。
頭皮の臭いの原因となりうる病気3:糖尿病
糖尿病になると、汗や体臭が「果物が腐ったような甘酸っぱい臭い」がします。
糖尿病になると、インスリン(エネルギー源であるブドウ糖を、細胞へ取り込む役割をするホルモン)の分泌量が減少します。
すると、うまくエネルギーを作りだせなくなるため、肝臓が中性脂肪を分解して脂肪酸を作り、さらに脂肪酸からケトン体(ブドウ糖の代わりのエネルギー源)を作りだすのです。
このケトン体が、悪臭の原因となっているのです。
頭皮の臭い対策を行っても臭いが治らないときには、これらの病気が関係している可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
頭皮の臭いは自分では気づきにくいため、知らぬ間に周囲の人たちを不快な気分にさせている可能性があります。
とくに女性の場合には、「自分には体臭がない」と思っている人も多く、スキンケアや髪のケアは行っているけれど、頭皮ケアまでは気を配っていないことがあります。
また、頭皮ケアをしていても、生活習慣と頭皮の臭いが関係していることまでは知らず、不規則な生活習慣や乱れた食生活を送っている人もいます。
頭皮の臭いの原因は1つではなく、さまざまなことが関係しています。
そのため、今発生している「頭皮の臭いをおさえる対策」を行うとともに、「頭皮の臭いを作る原因をすべて避ける」ことが必要です。
そして、今後も頭皮の臭いを起こさないため「予防対策」も合わせて行っていくことが大切です。