いつまでも健康を維持して、老けの来ない体を作りたい。
そんな意識を高く持ち、健康や美容、アンチエイジングに対して敏感にアンテナを張りめぐらせているあなたに、理想的な食事の内容をご紹介します。
健康や美容のためには、体のケアのほかに、食事バランスを整えることも肝心です。
ですが「どんな食事を取れば、健康的と言えるのか」と聞いて、なかなかイメージがわきにくい場合もあるでしょう。
そこで、栄養素、食品、料理、食べ方、レシピなどの要素から、理想的な食生活を送るためのヒントをお届けします。
体の中からあなたの「健康」「キレイ」を保つ秘訣を手に入れましょう。
ダイエット・美容において大事なのは健康的な食事のバランス

ダイエットや美容は、今や女性だけでなく男性にとってもとても気になるワードですね。
ダイエットや美肌づくりにも、食は重要な要素を占めているのです。
バランスの取れた食生活を送ることで、次のような成果が見出せます。
健康的な食事を続けていれば自然と痩せる!
ダイエット中であっても栄養バランスの整った食事を心がけるようにしましょう。
食事を取るのを控えると、確かに痩せます。
しかし、飢えた状態を続けてしまう間に危機感を感じた体が防衛反応として、食事をするたびに脂肪を溜め込もうとしてしまいます。
ですので、極端に食事の量を減らしてしまってもダイエットにとって効果的とは言えません。
それどころか、体に必要な栄養分すら摂りにくくなってしまうというリスクも生じてしまいます。
しかし栄養分を十分に摂ることができて、低エネルギーの食事を続ければ、栄養分をエネルギーなどに変えていく作用である代謝が活発になります。
代謝がアップすることで血液中の脂質や糖質がエネルギーに変換されやすくなるため、痩せやすい体ができるのです。
美肌への近道は食事習慣を健康的に改善すること!

いつまでも滑らかでハリツヤのある肌は、保っていたいものですね。
美肌作りやメンテナンスのため、スキンケアなどを入念にすることももちろん重要ですが、食事習慣も見直してみる必要があるかもしれません。
というのは、肌の状態はそれまでの食生活に影響される部分があるからです。
美肌のキーワードの一つであるターンオーバーの促進をはじめ、肌の環境を改善させるためには、新陳代謝をアップさせる必要があります。
皮膚を構成する成分であるタンパク質や、タンパク質の代謝をアップさせる栄養分などは食事によって体に取り入れることができます。
また、栄養分を取り込む臓器である腸の環境が整っていないと、便秘だけでなく肌にも栄養が行き渡らず、肌荒れの原因にもつながります。
これを解消するためにも、腸内細菌を活発化させるための食物繊維などの栄養分を食事で摂ることが重要となります。
ほかにも、肌など体内に栄養分を運んだり、老廃物を回収する機能を持つ血液の流れを改善させるためにも、ビタミンEなどを食事から摂ることがカギとなります。
このように美肌を目指すために望ましい栄養分は多く存在します。
そして、それぞれの栄養分をバランスよく体内に取り入れるために理想的な食事習慣を身に着けることが、美肌へのステップアップにつながるのです。
健康的な食事メニューってどんなもの?
では、健康的な食事とは、どのような内容になるのでしょうか?
栄養素や栄養バランスなどの面から、まずは掘り下げてみましょう。
健康を食事で作る!三大栄養素の割合について
栄養と言えば、炭水化物、脂質、タンパク質の三大栄養素が代表的です。
炭水化物は脳などのエネルギー源である糖質に、食物繊維を合わせたものです。
ご存じの通り、ご飯やパン、麺類のほか小麦粉やイモ、菓子類などに多く含まれています。
脂質も糖質と同様に、生命活動のエネルギー源として活用される栄養素です。
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品、油、菓子類などに含まれます。
そして、タンパク質は筋肉や臓器、皮膚など体を構成する成分となります。
脂質と同じく、肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれます。
まずは食事で、三大栄養素をバランスよく取り入れることが健康へのカギとなります。
そして、これら三大栄養素のバランスとしては、炭水化物が50~65%、脂質が20~30%、タンパク質が13~20%の割合となることが理想的です。
どれか一つの栄養素だけに偏ってしまうと、栄養素の持つ役割が作用しにくくなりますので、上記のバランス条件を満たすようにして三大栄養素を摂り、それぞれの役割が体内で作用し合うように食事で調整したいものです。
また、三大栄養素を役立てるためにビタミンやミネラルを摂ることも重要となりますが、ビタミンやミネラルは必要な量がごくわずかに限られています。
厚生労働省の食事バランスガイドとは?健康的な食事習慣を作ろう!
では、具体的に1日の中でどのような料理を口にするのがよいと言えるのでしょうか?
「食事についてあまり意識したことがない」という場合でも、厚生労働省の食事バランスガイドについて耳にしたことはあるのではないでしょうか。
こちらは厚生労働省と農林水産省が国民の健康な食生活をイラストなどをもとに分かりやすく示すために出しているものです。
こちらのガイドの内容を説明しながら、バランスのよい食事について考えてみましょう。
コマの絵で表されているものは?【食事で健康を作ろう】
食事バランスガイドの目を引く点は、コマをデザインしたイラストをもとに、食品単位ではなく、料理をベースとして食生活について説明しているところです。
バランスを持って回転し続けることのできるコマの絵をもとに、バランスのよい食事を取るために重要な料理を知ることができるということで、非常にイメージしやすい内容となっています。
コマの絵は大きく五つに分けられており、それぞれ主食(ごはん、パン、麺)、副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)、主菜(肉、魚、卵、大豆料理)、牛乳・乳製品、果物の料理区分を示しています。
それぞれの料理の量には「1つ(SV)」「2つ(SV)」と数える単位が付けられています。
SVはサービングの略で、それぞれの料理の1回あたりの標準的な量を示します。
主食・副菜・主菜+2つの食品群を意識することで食事を健康的にできる!
前述したように、食事の献立には栄養素のバランス配分が求められますが、そこで理想的なバランスを整えるということで広く知られているのが、「一汁三菜」と呼ばれる組み合わせです。
一汁三菜は具体的には主食と汁物、主菜、そして副菜2品で構成されます。
主食で炭水化物、主菜で脂質とタンパク質といった三大栄養素を摂ることができ、汁物や副菜を通して、食物繊維やビタミン、ミネラルを摂取できるようになります。
このうち主食と主菜、副菜は、食事バランスガイドで示されているコマの絵のうち、上部の3料理区分を占めています。
主食から順に、具体的な料理や量を見ていきましょう。
ご飯小盛り1杯、おにぎり1個、食パン1枚が1つ(1SV)、ご飯中盛り1杯が1・5つ(SV)、うどん1杯、スパゲッティが2つ(SV)とされ、1日に摂る量としては5~7つ(SV)分が示されています。
副菜では野菜サラダや具だくさんみそ汁が1つ(SV)、野菜の煮物や野菜炒めが2つ(SV)に設定され、1日に5~6つ(SV)を摂ることが示されています。
主菜は目玉焼き1皿が1つ(SV)、焼き魚が2つ(SV)、ハンバーグステーキや豚肉のしょうが焼きが3つ(SV)です。
そして、1日に3~5つ(SV)を摂るように示されています。
一汁三菜の献立を実行するうえで、適切な量も含めてメニューを考えるのに、十分参考になりそうですね。
しかし、コマの下の部分ではこれ以外に、牛乳・乳製品やくだものについても触れられており、それらも1日の食事の中で欠かせない料理であることもうかがえます。
牛乳・乳製品では牛乳コップ半分やヨーグルト1パックが1つ(SV)、牛乳びん1本が2つ(SV)とされ、くだものではみかん1個やりんご半分が1つ(SV)とされています。
そして、両区分とも1日に2つ(SV)を摂ることが示されています。
コマの軸:水・お茶【食事で健康を作ろう】
さて、コマの軸の部分は、水・お茶を表わしています。
水は料理の中にも使われていますし、水もお茶も食事や食間の折にも口にすることの多い飲み物です。
食事に欠かせない水分でもあり、「軸」のイメージにぴったりですね。
コマの紐:菓子・嗜好飲料(楽しく適度に)【食事で健康を作ろう】
コマを回すために用いられる紐で示されている菓子・嗜好飲料については、「楽しく適度に」摂取することが示されています。
ダイエット中であっても菓子類やジュース、アルコール飲料など嗜好飲料が好物であるケースは、珍しくありません。
摂取を我慢し続けてストレスをためてしまうよりは、食べ過ぎや飲み過ぎに注意したうえで菓子類や嗜好飲料を口にする楽しみを持つようにするのも、長い目で見るとダイエットにとって、よい効果をもたらすかもしれません。
コマの回転:運動【食事で健康を作ろう】
最後に、コマの回転を表わす部分では、「運動」の言葉が記されています。
コマが安定して回転し続けるようなバランス感覚を食事で身に着けたうえで、適度な運動習慣も取り入れることが重要であることがわかりますね。
健康や美容、ダイエットなどを意識して体づくりを進めるのなら、食事は重要なファクターではありますが、食事だけに目を向けるのも不十分です。
日ごろからこまめに体を動かしたり、スポーツに汗を流すなど、運動を習慣化する取り組みも同時に心がける必要があります。
運動習慣を作るための方法について詳しく解説している記事はこちら
健康的に過ごすために1日に食事から摂る必要がある年齢別のエネルギー量とは?
引用元: 農林水産省 – 一日に必要なエネルギー量と摂取の目安
さて、食事の重要な目的は、体を動かすためのエネルギーを供給することですね。
ここで、人間にはどれぐらいのエネルギーが必要なのかを年齢別に示してみたいと思います。
男性の場合、12~69歳では1日に2400~3000kcalが必要量です。
ただし、軽いスポーツをしていたり、徒歩で移動するなど身体活動を適度に取り入れている人が対象となります。
1日の中で座っている時間が大きく占めるなど身体活動量が極端に小さい場合だと、10~11歳や70歳以上の年齢層と同程度の2000~2400kcalほどでよいでしょう。
そのほか、6~9歳の男児や70歳以上で身体活動量が極端に小さい人の場合は、それよりも低い1400~2000kcalが目安となります。
女性の場合、12~69歳の目安が2000~2400kcal。
ただし、身体活動量が極端に小さい場合は1400~2000kcalが目安となります。
これは、6~11歳と70歳以上の年齢層の必要なエネルギー量と同程度です。
健康を意識!食事を食べる時の工夫3つのポイント
食事をする時には、適切にエネルギーを体内に取り入れ、より健康増進を図るために注意した方がよいポイントがあります。
せっかく栄養を供給するのに、食べ方によっては健康に支障をきたしかなないケースもあるため、以下の点を心がけるようにしてください。
健康的な食事習慣 その1.よく噛んで食べる
「ご飯を食べる時にはよく噛むように」とよく言われますが、これは健康や美容の面から見て理にかなっています。
よく噛むことで口の中で食べ物が細かく寸断され、胃に送られる面積が大きくなります。
すると食べ物を消化する酵素がよく働くようになり、栄養をしっかりと体に取り込むことが可能になります。
また、噛むという感覚が脳に伝達されると自律神経が刺激され、それによって消化系の臓器の動きが活発になってお通じがスムーズになります。
ほかにも、咀嚼することで脳内物質が働いて内臓脂肪の分解が進んだり、殺菌・抗酸化作用のある唾液の分泌が盛んになるというメリットも。
さらに、よく噛むという動作は筋肉や血流にも影響を与えます。
顔の筋肉が鍛えられて表情を若返らせる訓練になったり、血流がアップすることで顔色も明るくなります。
健康的な食事習慣 その2.時間をかけてゆっくりと食べる
よく噛んで食べるようになると食事のペースがゆっくりになります。
食事に時間をかけることも、肥満防止などのために有効な手段です。
なぜなら食べる時間が長くなることで、食べ過ぎを防ぐことができます。
脳の満腹中枢が作動して満腹感を得られるようになるまで、15分ほどかかると言われています。
ですので、早いスピードで食べてしまうと満腹を感じるまで、それだけ多くの量を口にしてしまうことになるのです。
実際に、早食いが習慣になっている人ほど肥満の度合が高いという研究結果も出されています。
健康的な食事習慣 その3.食べる順番も大事!
料理を食べる順番も、意識しましょう。
食事前にはお茶やお水を1杯飲み、胃に水分を送って先に飢えの感覚を緩和させておきましょう。
そして、スープやみそ汁など汁ものから口にします。
これで、食べ過ぎるのをある程度防ぐことができます。
ご飯など主食は糖質を多く含むため、早いうちに食べてしまうと血中のブドウ糖濃度である血糖値を急激に上げてしまいます。
血糖値が急上昇すると、糖分を筋肉などの細胞に送り、血中のブドウ糖濃度を調整する働きを持つホルモンのインスリンが大量に分泌されます。
しかし、インスリンはここで使え切れなかった糖を脂肪に変えてしまう働きも持っているため、結果脂肪の蓄積を招く要因になり得るのです。
ですので、野菜やタンパク質たっぷりのおかずを先に食べ、糖分を多く含む主食は最後に手をつけるようにしましょう。
腸内環境を整えると食事の消化吸収効率がアップ!健康への第一歩!
食べたものを消化吸収する腸の環境を整える食べ物を積極的に取ることも重要です。
腸の働きがよくないと十分に栄養を取り込むこともできず、未消化の食べ物が腐敗し、毒素が発生してしまうなどトラブルが起こります。
健康状態をアップさせるためにも、腸内環境を食事から上げていくように意識しましょう。
食事は発酵食品・乳酸菌を選ぶのが健康のポイント
健康や美容のジャンルの中で、腸内細菌の働きは近年注目度が上がってきていますね。
腸内細菌の働きは消化・吸収・代謝に関わるだけでなく、膨大な種類の体内酵素やビタミンを作り出したり、免疫力をアップさせるなど、多様です。
腸内細菌の中でも、体を健やかな状態に保つ働きをする善玉菌を増やすことが腸内環境をアップさせるポイントとなります。
善玉菌の有名株でもある乳酸菌は発酵食品や乳製品に多く含まれ、生きて腸に届けば善玉菌が住み着くのに有利な環境を作り出してくれるものの、胃酸などの影響を受けてほとんどが腸の手前で死滅するケースも珍しくありません。
ただし、死んだ乳酸菌であっても善玉菌の餌になって善玉菌の増殖に役立ったり、小腸内の免疫組織に刺激を与える可能性が期待できます。
乳酸菌のほかにも、日本の食卓ではおなじみのみそ、しょうゆ、漬物などの発酵食品には麹菌、酵母菌といった善玉菌が多く含まれています。
そのためこれらの発酵食品を食べることもオススメですが、市販の品物には味が変わるのを防ぐため、添加物を使って発酵が進まないように加工されたものもあります。
発酵食品を食事に加える際には、例えばぬかみそを使った手作りの漬物などを選択するようにしましょう。
食事に含まれる食物繊維・糖質は腸内細菌の餌になるため健康をつくる!
善玉菌の餌になる栄養分として、オリゴ糖などの糖質や水溶性食物繊維もあげられます。
しかし、糖質の中でもご飯やパンに含まれる炭水化物が分解されるブドウ糖は善玉菌の餌にはなりません。
オリゴ糖はバナナやはちみつ、大豆、麦類、トウモロコシなどに多く含まれていて熱や酸に強い性質を持っているため、腸内にも行き渡りやすいという強みがあります。
水溶性食物繊維はりんごやみかん、イモ類などに含まれています。
食事の献立を考えるときにどうすれば健康的にできる?
では、いざ食事の献立を考える際には、どのようなことに具体的に目を向けるべきでしょうか?
健康な食生活を送るためのヒントとして、献立を考えるときの参考として、以下の情報を生かしてみてください。
健康的な食事に改善!食生活指針10項目について
まず、健康増進などを目的に農林水産省などが策定した食生活指針の項目から掘り下げてみたいと思います。
健康に貢献し、豊かな食生活を得るために次の10項目を定めています。
健康的な食事とは その1:食事を楽しみましょう。
食べ物をよく噛んで、家族など食卓を一緒に囲む相手との交流も深めながら毎日の食事時間をゆっくりと持つことの重要性を説いている項目です。
毎日の食事時間を楽しみ、健康寿命を延ばす意図も含まれています。
健康的な食事とは その2:1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを
こちらの項目では、朝食を取ることで、1日を生き生きと始めることなどを説いています。
生活のリズムを崩しかねなくなる夜食や間食を取り過ぎないようにすることや、飲酒をほどほどの程度に留めることも、呼び掛けています。
健康的な食事とは その3:適度な運動とバランスのよい食事で、適正体重の維持を
こちらは、適正体重を保つための方法として、食事量に気を配り、普段から体を動かすことなどを紹介しています。
ほかにも、日ごろから体重を量っておくことや、無理な減量を控えることなども重要な要素としています。
健康的な食事とは その4:主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを
食事は主食と主菜、副菜を基本として前提にしたうえで、食品や調理法が偏らないようにして、料理に多様性を持たせることが重要であると、説いています。
また、手作りの料理に限らず、外食をしたり加工食品や調理食品を取り入れても構わないという考えも示しおり、重要なのはこれらをバランスよく組み合わせることである、としています。
健康的な食事とは その5:ごはんなどの穀類をしっかりと
糖質からエネルギーを摂取し続けるため、穀類を毎食摂ることを呼び掛けています。
とくに日本の風土や気候に適している穀類として、米をあげています。
健康的な食事とは その6:野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて
ビタミン、ミネラル、食物繊維を摂るために野菜もしっかりと食事に取り入れて、果物も毎日食べることを説いています。
また、カルシウム摂取のための食材として牛乳・乳製品のほか緑黄色野菜や豆類、小魚などもあげています。
健康的な食事とは その7:食塩は控えめに、脂肪は質と量を考えて
ここでは控えたり、食事に取り入れるのに調節する必要のある食材として、食塩と脂肪をあげています。
具体的には食塩の目標摂取量は1日で男性は8グラム未満、女性は7グラム未満に留めることを記しています。
脂肪については量だけでなく、動物、植物、魚由来のものを偏らずにバランスを持って摂るなど質を考慮することも、説いています。
健康的な食事とは その8:日本の食文化や地域の産物を活かし、郷土の味の継承を
ここでは、和食など日本の食文化や旬の食材を取り入れることを、呼び掛けています。
地産地消の考えや地域ごとに受け継がれた料理を伝える意図も、含まれています。
健康的な食事とは その9:食料資源を大切に、無駄や廃棄の少ない食生活を
食品ロスや食べ残しを起こさないための対策を説いています。
調理や保存法を工夫することで、食べ残しが防げることを示し、食品の賞味期限などにも気を配ることの重要性も訴えています。
健康的な食事とは その10:「食」に関する理解を深め、食生活を見直してみましょう
最後に、食品の安全性など食に対する知識や理解を身に着けたり、食生活について見直す機会を設けることの重要性について触れています。
健康に対する目標を作り、食生活を向上させる意図も含まれています。
食事のカロリーコントロールも健康のためには忘れてはいけない要素!
ほかに献立を考える時に頭に入れた方がよいファクターとして、カロリーを調節することがあげられます。
食事を取る時によく注目される要素であるカロリーは、エネルギーの単位です。
食べ物によって体内に摂取されるエネルギーが、体内で消費されるエネルギーよりも多くなると、余ったエネルギーが体内で体脂肪になって蓄積されるため、ダイエットを目指す場合などに食事で取られるカロリー量は、しばしばキーワードとして浮上します。
しかし、カロリーを極端に控えるのもよくありません。
呼吸や血液循環など、人間の生命を維持するために必要な活動を進めるために消費されるエネルギーである基礎代謝は、成人女性の場合1200kcal、成人男性は1500kcalほどがマストとされています。
また、年齢層や性別ごとに1日に必要なエネルギー量の目安も、先に触れましたね。
これらの指標をもとに、最低限のカロリーは摂れるように心得ることが必要ですし、反対に消費し切れないほどのカロリー摂取もしないように心がけなければいけません。
健康的な食事プレートとは?
引用元: ハーバード公衆衛生大学院 「健康的な食事プレート」(日本語)
健康に配慮した食生活については、ほかにもハーバード公衆衛生大学院の栄養学専門家などが「健康的な食事プレート」というものをつくっています。
こちらにまとめられているトピックスも、紹介しましょう。
健康的な食事プレート:タンパク質は基礎代謝をアップしてくれる!
タンパク質を摂取すると、筋肉がつくということは知られていますね。
筋肉には、エネルギーを消費して体を動かす働きがあります。
ですので、筋肉量が増えると基礎代謝の量もアップします。
基礎代謝をはじめとしたエネルギー消費量が増えることで、ダイエット効果も見込まれるようになります。
健康的な食事プレートの中では、健康的なタンパク質として、魚、鶏肉、豆、ナッツをすすめています。
赤肉やチーズ、ベーコンやハムなど加工肉については、避けるように呼び掛けています。
健康的な食事プレート:野菜と果物でビタミンやミネラルをバランスよく摂取する
ビタミンやミネラルは体の代謝機能のためにも活用されます。
消化や吸収といった代謝が進むためには、酵素の働きが不可欠となりますが、ビタミンやミネラルは酵素が働くサポートをする役割を果たしています。
ビタミンやミネラルは野菜や果物に多く含まれるため、これらの食材をバランスよく食事の中に取り入れていくことが大切です。
病気の予防やアンチエイジングなどに役立つことで知られる種類も多い一方、摂取し過ぎると中毒症を起こす危険性もあるため、偏った食事にならないように注意することが必要です。
健康的な食事プレートの中では、野菜は量だけでなく種類も豊富であることがよいとされていて、さまざまな色の果物を食べることもすすめられています。
ただし、血糖値への影響がよくないことから、ジャガイモやポテトフライについては野菜には含まれないとしています。
健康的な食事プレート:全粒穀物は血糖値が急激にあがりづらい!
健康的な食事プレートでは、穀物については全粒穀物をすすめています。
例えば全粒の大麦、小麦、雑穀、オーツ、玄米、全粒粉パスタが当てはまります。
精白食品については、精製される過程でビタミンやミネラル、酵素など栄養素の多くが失われている点が指摘されていますね。
健康的な食事プレートの中でも、精製された穀物は控えて、食後の血糖値上昇やインシュリン分泌への影響がより急激でない全粒穀物を選ぶことを呼び掛けています。
食事は「低GI値食品」を選ぶと健康にプラスに働く!

「食後に血糖値がそれぐらい上昇するか」という指標を示すGI値が近年、注目度を上げてきています。
実際にGI値の低い食品は食べても血糖値が急上昇しにくいため、健康維持やダイエットを目指す人たちから重宝されています。
低GI値の食品としては、大豆、そば、きのこ類、バナナ、りんご、ヨーグルトなどがあげられます。
また、穀物は白米よりも玄米や全粒粉パンの方がGI値が低く、いもでもじゃがいもよりもさつまいもの方がGI値は低くなります。
日本人に合った食事を意識することが健康を作るポイント
先ほど紹介した健康的な食事プレートの内容ももちろん、美容や健康状態を向上させる食生活を進めるうえで、多いに参考にしていただくことができます。
しかし、こちらのプレートは海外の機関の専門家などが作ったものですので、日本人の食文化とは多少異なった前提で内容がまとめられているところもあります。
そこで、ここからは健康増進にも貢献し、かつ日本人の食事にもマッチしたポイントを紹介していきたいと思います。
粗食を心掛けると食事が健康的に!
日本人の伝統的な食事は粗食であったと言われています。
ダイエットや健康志向ブームの中で、近年粗食の注目度も上がってきています。
ただし、粗食を実践するうえでは、注意しなければいけない点もあります。
粗食を心掛ける際には、以下の情報も十分に踏まえるようにしてください。
正しい粗食の考え方とは?健康的な食事を勘違いしないように気を付けよう!
粗食を実践しようとして、栄養価の低い食事を続けてしまうと、かえって体に悪影響を及ぼしかねません。
粗食はシンプルな食事を実行することではあっても、貧しい食事を進めることではありません。
例えば、栄養豊富な玄米のご飯とみそ汁に、肉や魚料理も含むおかずを1品そろえることで、シンプルながらも栄養バランスの整った食事を口にすることができます。
また、シンプルであっても栄養価の高い旬の食材の恩恵も受けた料理を口にしたりします。
このような食事が、正しい粗食と言えます。
逆に、ご飯を白米にしておかずを極端に貧相にしてしまったりすると、栄養不足となってしまう危険性があるため、注意してください。
やってしまいがちな間違った食事メニュー例3つ!健康にとって逆効果に!
ダイエットや健康維持のために良かれと思って作った食事メニューが、かえって健康や美容の面でデメリットをもたらす組み合わせとなってしまうケースもあります。
ここで、誤って取り入れてしまいがちな、ヘルシーそうだけど栄養バランスの崩れているメニューのパターンを3つ紹介します。
間違った健康的な食事の考え方 その1:野菜類ばかり増やしてしまう

野菜は健康やダイエットの面からも大変重宝されている食材でおかずやサラダ、スープ、スムージーなど、幅広く調理することができるメリットも備えています。
ですが、献立の中で野菜の量ばかりを増やしてしまうと、栄養に偏りが出てしまいます。
野菜中心の食事となってしまうと、三大栄養素の摂取が不十分となる可能性が高まります。
例えば、朝はグリーンスムージとフルーツ、昼は野菜のポタージュと野菜サラダ、野菜ジュースにパンとゆで卵、夕食は野菜炒めと野菜サラダ、野菜スープにご飯といった献立などが当てはまります。
前述したように、三大栄養素は体を構成したり、エネルギー源になるため、健康維持のためには欠かせません。
また、野菜は肉や魚と比べて鉄の吸収率も低いのです。
鉄は全身の細胞に酸素を運ぶ血中ヘモグロビンを構成する働きを持っており、不足すると細胞のエネルギーが減少し、貧血や血行不良、冷えなどを引き起こします。
ミネラルで言えば、野菜中心だとカルシウムも摂りにくくなります。
カルシウムは元々日本人にとって不足しがりなミネラルであり、足りないと骨量が減って骨軟化症や骨粗しょう症の原因にもなります。
そのため、野菜中心メニューを続けてしまうと、鉄やカルシウムの吸収や摂取という面でも不利になる可能性があります。
間違った健康的な食事の考え方 その2:品目数が少ない

主食とおかず1品とか、おかずだけの献立にするなど、品目数の少ない食事も栄養バランスを崩す危険性が高く、要注意です。
例えば、朝食は野菜サラダとゆで卵、昼食はパスタ、夕食はご飯に肉や魚を使ったおかずを組み合わせるのみといった食事メニューなどが当てはまります。
いずれのメニューも三大栄養素の中のいずれかが欠けてしまったり、ビタミンやミネラル不足となる可能性が高まり、このような食事を続けると美容や健康に支障が生じても、おかしくありません。
また、品目数の少ない食事はカロリー不足におちいる危険性もあります。
1日に必要なエネルギー量を下回る食事を続けてしまうと基礎代謝が下がり、消費エネルギー量が小さくなり、かえって太りやすい体となってしまったり、免疫力もダウンするリスクが高まります。
間違った健康的な食事の考え方 その3:油の摂取量が少ない

「体に脂肪がつくのを避けたい」と考えて、脂質や油の極端に少ないメニューを組んでしまうケースもあります。
例えば朝はご飯とみそ汁、昼は野菜スープとサラダとパスタ、夜はオムレツと野菜ポタージュとパンなど、肉や魚を使う料理を避けた食事例があげられます。
あるいは、料理をする際に炒め物など油を使うメニューを避けるケースも考えられますね。
しかし、脂質は前述した通り、三大栄養素の一つであり、不足すると体にエネルギーが行き渡らなくなってしまいます。
また、肉や魚は鉄の吸収率の高い動物性タンパク質も豊富に備えているため、避けてしまうと鉄の吸収にも滞りが生じる可能性があります。
美容の面からも、脂質や油の少ないメニューはデメリットを生じさせます。
青魚や亜麻仁油、えごま油に多く含まれるオメガ3系列脂肪酸など、体内で作ることのできない必須脂肪酸は肌の保湿成分である細胞間脂質の原材料にもなります。
そのため、魚料理や油を使う料理などを避けた食事メニューを続けると、肌のうるおいが失われてしまうリスクも高まります。
油は良質なものを選ぶのが大事
これまでにも触れた通り、脂質や油の種類はさまざまです。
先に挙げた必須脂肪酸となるものはオメガ3系脂肪酸のほか、コーン油や大豆油、グレープシードオイルなどに含まれるオメガ6系脂肪酸があります。
ただし、オメガ6系脂肪酸を摂取し過ぎると炎症の元になるとも指摘されています。
そして、このような炎症を防ぐ効果がオメガ3系脂肪酸に見込まれています。
また、オリーブオイルは体内でも作ることのできるオメガ9系脂肪酸に含まれますが、酸化しにくく、悪玉コレステロールを減らす作用も期待されています。
料理やトッピングで油を使う時などはオメガ6系脂肪酸の摂り過ぎにならないように、オリーブオイルや亜麻仁油、えごま油なども活用するなどして、それぞれの油の特質を踏まえたうえで、自身の体にベターなチョイスをするように心がけることも、重要です。
健康的に食事バランスが簡単に取れる!「まごわやさしい」とは?
「まごわやさしい」という語呂で、食事に取り入れるのにオススメとされている食材はご存知でしょうか?
これは、杏林予防医学研究所の山田豊文教授が提唱しているもので、それぞれ1日の食事の中で1回は取り入れることがすすめられている食材で、日本人の食卓には昔からおなじみの種類がそろっています
ご飯との組み合わせにも合うし、和食や行事料理などにもよく登場するほど、日本では重宝されてきた食材です。
これらの食材をきちんと食事に取り入れることで、生活習慣病や老化の予防、疲労回復といった効果が見込めるとされています。
しかし、近年の日本人の食事はご飯を主食にするケースが減ったり、野菜やいも類の量も減少傾向にあるなど変化が見られます。
これらの食材が毎日の食事に足りているかどうかを今一度見直して、もしも足りない場合は積極的に加えるようにしましょう。
ま:まめ
豆製品には、大豆のほか小豆やみそ、豆腐、納豆なども含まれます。
タンパク質が多く含まれ、ビタミンや食物繊維も豊富に摂ることができます。
スープの具やあん、炒り豆、みそ汁などとして、調理の幅も広い食材です。
ご:ごま
ごま類も、タンパク質や食物繊維、カルシウム、ミネラルなどを豊富に摂取できる食材です。
ごまは料理のトッピングなどにも使われるほか、揚げ物や炒め物、和え物などを調理する際に活躍するごま油の原料にもなります。
おつまみやおやつとしても人気のナッツ類も、オススメです。
わ:わかめ
わかめだけでなく、ひじきやのりなど海藻類を指します。
ご飯のお供やみそ汁の具、おかずなど食卓のさまざまな場面に取り入れられている食材で、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に摂りたい時にぴったりです。
また、独特の食感であるヌメリを形成する成分であるフコダインには、血圧の上昇を抑えたり、抗ウイルスの効果なども期待されています。
や:やさい
野菜はダイエットに欠かせない食材として世界中で重宝されている食材です。
とくにビタミンやミネラルのメイン供給源として、非常に貴重な存在です。
とくに赤や緑の色の緑黄色野菜には色素成分のカロテンが豊富に含まれていて、老化やがんの原因にもつながると指摘されている活性酸素から、細胞を防御する働きが期待されます。
野菜は炒め物やスープの具などとして調理されることも多いですが、ビタミンCや葉酸のように美肌効果などもうたわれる栄養分は加熱によって破壊されやすい性質があるため、火を通さないサラダなどの調理法も取り入れるように心がけましょう。
さ:さかな
魚はタンパク質だけでなく、貧血予防効果で広く知られる鉄分もたっぷりと摂ることができる優れものの食材です。
日本でもタンパク質は魚よりも肉で摂るケースも多くなっていますが、肉を食べる時には動物性脂肪である飽和脂肪酸を摂取し過ぎてしまう可能性があります。
飽和脂肪酸は、摂取し過ぎると血中コレステロール値を上昇させ、動脈硬化を招くリスクが高いことが知られています。
これに対して、魚や植物性の脂肪は不飽和脂肪酸と呼ばれます。
魚介類の不飽和脂肪酸は、DHAやEPAなどの呼び名でも有名ですが、コレステロール値を調節し、血液をサラサラにする効果などが見込まれています。
魚介類を食卓に取り入れる場合、切り身に限らず、シラスのような小魚や貝類も活用することができるので、調理の幅も広がります。
し:しいたけ
しいたけに限らず、きのこ類は低カロリーかつビタミンや食物繊維を豊富に摂ることができる食材として知られています。
えのきたけやマッシュルーム、まいたけ、マツタケなどさまざまな種類があり、炊き込みご飯やスープの具、ソテーと、主食、汁物、おかずのいずれの食材としても活躍してくれます。
い:いも
いも類は炭水化物やビタミンC、食物繊維を豊富に摂れます。
じゃがいもやさつまいもなどがおなじみですが、ほかにもさといも、かぼちゃ、やまいもなどさまざまな種類があり、煮物やポタージュ、コロッケ、とろろ汁などとして調理することができます。
簡単にできる健康的な食事レシピ4例
ここまでの情報も踏まえたうえで、簡単に作れて健康な食事を構成するのにぴったりな料理のレシピを四つほど、紹介したいと思います。
それぞれ1人分の調理の手順や、摂取が期待される栄養分などをあげています。
タンパク質やビタミン類を補給!ささみとしめじのパスタ

脂肪がほとんどなく、たんぱく質を多く含むささみと、ビタミンや食物繊維が豊富な食材であるしめじを具に、パスタを作ります。
主食でありながらタンパク質やビタミン類も摂ることができる優れもの料理です。
- 鍋に水を張り、塩をひとつまみ入れて沸騰したら60グラム分のパスタをゆでます。
- オリーブオイルとバターを入れて熱したフライパンに、しめじと玉ねぎ各50グラムを投入し、玉ねぎがしんなりとするまで炒めます。
- フライパンに塩をふった鶏ささみ50グラムも入れて焼き、小さじ1のしょうゆを加えて混ぜます。
- ゆでたパスタもフライパンに入れ、材料を合わせて炒めます。
- 器に盛り、チーズなどトッピングを振りかけます。
緑黄色野菜の具でカロテン補給!豚肉と野菜チャーハン

豚肉とピーマン、ニンジンの緑黄色野菜の組み合わせを具にしたチャーハンで、炭水化物とタンパク質、カロテン、ビタミン類などの取り込みを図ります。
カロテンは肉と一緒に油炒めにすると吸収率もアップして風味もプラスされるため、まさに「一度で二度おいしい」料理となります。
- サラダ油を熱したフライパンに細かく刻んだにんじんとピーマン各30グラムを炒めます。
- フライパンに油が回ったら、ご飯150グラムと溶いた卵1個も入れ、中身がぱさつくまで炒めます。
- みじん切りにしたネギ類と細かく切った焼き豚各30グラムも入れて炒め、しょうゆや塩、こしょうで味付けをします。
ちりめんじゃこと野菜で栄養豊富なみそ汁!

具にちりめんじゃこ、油揚げ、お好みの野菜を加えて作るみそ汁です。
タンパク質、脂質、ビタミン、カルシウム、DHA、EPAなどを摂ることができ、味の面からも栄養分の面からも、主食であるご飯と組み合わせるのにぴったりな汁物となります。
だしを取らずに簡単に作ることのできる調理法である点も、魅力です。
- 水4分の3カップとちりめんじゃこ大さじ1を鍋で煮立て、熱湯で油抜きした油揚げやお好みの野菜を加えてさらに煮立てます。
- 1分ほど煮込んだ後、大さじ2分の1のみそを溶いて混ぜます。
バラエティー豊かな栄養が摂れる!小松菜とあさりで煮びたし

カルシウムやカロテン、ビタミン、鉄といった豊富な栄養分を含む小松菜とあさりを活用したおかずです。
あさりと小松菜に含まれるビタミンB12と鉄は、それぞれ赤血球と血中ヘモグロビンを生成するうえで関連する栄養分であり、両方の食材を組み合わせて摂取することで、血液を増やしたり血行を良くする効果が期待されます。
- 水1・5カップを鍋に煮立て酒大さじ2分の1、しょうゆ大さじ1、みりん小さじ4分の1を入れます。
- 3センチほどの長さに切った小松菜4分の1束と千切りにしたしょうが少々も鍋に投入してひと煮立ちさせます。
- 流水できれいに洗ったあさりのむき身80グラムも混ぜて煮ます。
一人暮らしでも健康的な食事にするために意識したいこととは?
健康や美容面に気遣いながら料理を作るのも、やりがいがありそうですね。
しかし、一人暮らしだったりすると食事についても自由がきくため、忙しい時期などは自炊をしなくなってしまったりするケースも多いかと思います。
そうすると自然と栄養バランスの偏った食生活を送りがちにもなります。
ですが、少しでも健康的な食生活に近づけるため、注意を払っていただきたい点があります。
以下のような点を、意識するようにしてください。
一人暮らしの健康的な食事1.コンビニ弁当をできる限り控えること
忙しい時や時間が足りない時、家の近くにあるコンビニの弁当で食事を済ませることも、よくあるでしょう。
コンビニ弁当は便利で低価格ですが、あまり頼り過ぎるのはおすすめできません。
理由としては、まず、種類によっては主食と主菜、副菜がきちんとそろっていないものもあるという点があげられます。
そのような配分になっていると、当然栄養分が不足してしまうか、バランスが偏ってしまう危険性が高まります。
具体的には、ご飯の量が多く、おかずに揚げ物が使われている割合が高いことから、糖質や脂質が高いことが指摘されています。
その分たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足することが想定されます。
さらに、コンビニ弁当は味付けが濃いものが多く、塩分が高くなってしまい、食べ続けると先に挙げた1日の食塩の目標摂取量も上回る可能性が出てきます。
コンビニ弁当にプラスαで工夫できることは?
前述したように、コンビニ弁当には品数の少ないパターンがしばしばあります。
とくに副菜が不足しているケースが、考えられます。
そこで、全体的に野菜が不足している場合は、サラダを買い足すという手段もあります。
また、タンパク質が不足しているとみられる際には、サラダチキンやインスタントのみそ汁を買い足すこともできます。
あるいはチーズやヨーグルトのような乳製品を足せば、たんぱく質のほか、カルシウムも補給することができます。
一人暮らしの健康的な食事2.外食をするときに注意したいこととは?
一人暮らしの場合、外食する機会も多くなりがちです。
外食も栄養バランスが偏ると思われがちですが、工夫次第ではそのような懸念も払しょくすることができます。
まずそのためには、同じ店で同じ料理ばかり頼まないことがあげられます。
なじみのお店で出される好物などはついいつも頼んでしまうかもしれませんが、毎回何品も同じ料理を並べてしまうと、栄養が偏るリスクも高くなります。
外食をする時には定食ものを頼むなど比較的多くの品目が味わえるように工夫して、栄養分をバラエティー豊かに取り入れるように努めるほか、お気に入りの料理を注文するのは毎回1品に絞るなどして、毎回同じ組み合わせの食事にならないように気を付けましょう。
また、外食で摂取不足になりがちな食材と言えば、野菜です。
とくに丼ものやパスタなど、1品でも済ませられるメニューをチョイスしていると、野菜不足が加速します。
そのことを頭に入れて、野菜をできるだけ活用しているメニューをオーダーするように意識することも、重要です。
外食の際には野菜に限らず、例えばタンパク質やミネラルなど、日ごろの食事で不足気味だと考えられる栄養素を補える食材を使った料理を積極的に注文するのも、よいでしょう。
食事の効率を下げて不健康をつくってしまう間違った習慣5選とは?
せっかく健康的な食事メニューなどに関する知識が豊富であっても、誤った食生活を送ってしまうと、健康をかえって損ねる結果となることもあります。
次のような習慣がある場合、食事で得られる健康を台無しにしかねないため、改善を図ることが重要です。
間違った習慣1:お酒を必要以上に飲む
せっかく健康的な食事を実践していても、そのうえでお酒をたくさん飲んでしまうと、結局は健康に支障をきたしかねません。
既に触れたように、お酒は楽しく適度にたしなむことがすすめられている嗜好飲料の扱いとなっています。
度を超すほど飲んでしまっては、肝臓などに負担がかかります。
「お酒を飲み過ぎると肝臓に脂肪が蓄積されて、脂肪肝になる」と言われますが、これは肝臓でアルコールを代謝している間は脂肪の燃焼が防がれてしまうことや、お酒に含まれるアルコールが中性脂肪の材料となることに起因します。
脂肪肝が進むと肝臓で炎症が起き、細胞が死滅したりして肝硬変や肝がんにつながる可能性もあります。
そうなっては、元も子もありません。
しかも、アルコールを摂取すると食欲を抑えるホルモンのレプチンが抑制されるという研究結果もあります。
そうすると、食事に気を配っているはずでも、ついついラーメンやご飯などボリュームのある付け合わせ料理を選択する流れに乗ってしまう危険性も、浮上します。
そうなってしまうと、栄養バランスが崩れてしまうのは目に見えています。
「お酒を飲む量が多い」と感じられる場合、飲酒量を減らすように努めることが肝心です。
間違った習慣2:睡眠不足・休日の寝すぎなど
睡眠時間が減っている場合も、前述したレプチンが減少するようになり、反対に食欲増進に関わるホルモンであるグレリンが増えることが指摘されています。
そのため睡眠不足は、食べすぎを生じさせる可能性があります。
夜更かしによる睡眠不足が続くと、夜間にものを食べる習慣もついてしまうため、食事習慣も崩れてしまいかねません。
睡眠についてはまた、休日になると長時間寝てしまうケースについてもデメリットが指摘されています。
1日の間に寝ている時間が極端に多くなると、その分食事の時間帯がズレることが想定されます。
結果、1度の食事量が極端に増えたり、減ったりするため、栄養バランスがアンバランスになってしまうリスクが高まるのです。
さらに寝すぎた後は副交感神経が大きく優位になっていて、食欲もなかなかわかなかったり、内臓の動きが活発になれずに胃もたれなどが起きることも想定されます。
そうするとますます、いつもの時間にスムーズに食事を取ることが難しくなってしまうのです。
「夜になかなか眠ることができない」という方は以下の記事も読んでみてください。
間違った習慣3:ストレスをため込んでいる
ストレス社会と呼ばれる現代では、何らかのストレスを抱えた状態で日常生活を送ってしまうことは、防ぎ切れないところがあるかもしれません。
しかし、ストレスを少しでも解消したり発散させる手立てを打たず、ため込んでばかりいると精神衛生上に支障をきたすだけでなく、食事の面でも悪影響を及ぼす可能性があります。
なぜなら、ストレスを受けている時の人間の体は、刺激から身を守るために、抗ストレスホルモンであるアドレナリンが多く分泌されますが、アドレナリンを産出するためにビタミンCが大量に消費されるからです。
ほかにも、神経が興奮するのを抑制するため、カルシウムも消費されます。
このように、ビタミンCやカルシウムが大量に消費されやすい状況の中では、ちゃんと食事を摂っても栄養バランスが崩れるきっかけを生み出しかねません。
もし自分がストレスをため込みやすいタイプだとわかっているのであれば、別記事でストレスを上手に解消するための方法を解説しているので、ぜひ時間を作って読んでみてくださいね。
間違った習慣4:運動が足りていない
筋肉をつけることで基礎代謝がアップすることを前述しましたが、その筋肉をつけるためにはタンパク質を積極的に摂るだけでなく、体を適度に動かすことも重要です。
定期的に運動習慣を身に着けることももちろん、毎日の家事や徒歩、自転車での移動、散歩などのシーンも体をマメに動かす機会になります。
せっかくタンパク質などを積極的に摂取して代謝を上げ、エネルギーを消費しやすい体を作ろうとしていても、運動不足におちいっていると成果も不十分なものとなります。
日ごろから適度に体を動かすなど、運動習慣を身に着ける意識を持つようにしましょう。
間違った習慣5:1日3食食べない
「ダイエット中は朝食や夕食を抜いている」という食生活を送るケースもあるかもしれません。
しかし、食事は1日3食取るべきです。
1日のうちの食事回数を3回未満に抑えてしまうと、口にする食べ物の数が少なくなり、摂取する栄養の種類も少なくなってしまう恐れが生じます。
そうすると、栄養バランスの偏りが起こりやすくなります。
また、3度の食事をきちんと取ることは、早寝早起きと同様に、1日の生活のリズムを整えるメリットもあります。
反対に食事の頻度が少なかったり不規則に食べてしまうと、生活リズムや血糖値が不安定になり、結果体に負荷がかかってしまいます。
そうすると、せっかく食事を取っても体の調子を整えるのが難しくなってしまいます。
特に朝食を抜いてしまうと、睡眠から目覚めたばかりの脳に刺激を行き渡らせることができず、1日の立ち上がりからリズムが崩れやすくなってしまうので、注意してください。
生活リズムが安定していると、自律神経もバランスアップしやすくなり、代謝が活発化します。
食事の効果も、より浸透しやすくなることが期待されるため、生活リズムを整えるためにも食事は1日3回規則的に取るようにしましょう。
間違った習慣6:ご飯を減らしておやつは食べている
「ご飯もお菓子も同じ糖質だから」と言って食事の際の主食の量を減らして、その代わりに間食でお菓子を多く食べたりするのも、問題です。
そのような習慣を続けていくと、毎日の食事がおろそかになり、その分間食のウエイトが大きくなってしまう可能性があります。
そうすると、健康的な食生活を送ることが困難になります。
また、主食に含まれる糖質と菓子類の糖質は、まったく同じではありません。
ご飯やパンの糖質にはデンプンが含まれており、比較的ゆっくりとしたペースで体に吸収され、エネルギーとして使われるという性質があります。
一方、お菓子に含まれる砂糖は吸収されるのが早く、食後に血糖値の急上昇も起こしやすくリスクが高いのです。
ほかにも、菓子類はカロリーが多いという難点もあります。
ご飯など主食を減らしてもおやつをたくさん取ってしまってカロリー摂取量がオーバーしてしまっては、かえって健康に悪影響となってしまう可能性が大きくなります。
まとめ
健康的な食生活を送るために配慮すべきポイントは、さまざまですね。
食は元々生きていくうえで欠かせない要素ですが、正しい知識を持って実践することで美容やアンチエイジングに生かすことができるという事実は、料理や食事に対するモチベーションをアップさせてくれそうですね。
もしも「食事には気を付けていたつもりだけど、知らなかった」というポイントがあったり、「普段あまり摂れていない栄養分が見つかった」という場合は、まずそこから積極的に見直してみるのがよいのではないでしょうか。
新たに取り入れようとする栄養分や食材が見つかれば、それだけ料理の幅も広がり、食事をする楽しみも増えるかもしれません。
「今の自分に必要な食材や情報は何なのか」をチェックしたうえで、食生活をより豊かにする手段を実践してみてください。