クレンジングを選ぶときにどのようにクレンジングを選んでいますか?
クレンジングオイル、クレンジングクリーム、クレンジングジェル、クレンジングミルク、クレンジングシートなど、多くの種類があって正直迷っちゃいますよね。
多くの場合、商品の宣伝文句や店頭ポップを見るのではないでしょうか。
「乾燥肌でもかさつかない!」とか、「するっと一瞬で落ちる!」とか、「お肌に優しいヒアルロン酸配合」とか…
選ぶ基準としてはこのようなメーカーやお店のうたい文句を信じて購入して、実際に使ってみて肌に合うかどうかを確認するというケースが多いのではないかと思います。
ですが、こういった選び方では実際に使ってみるまでは使用感がわからないですし、本当にお肌に合っているのかということが確認できません。
実は、クレンジングの種類ごとにそれぞれ特徴が違い、メリットとデメリットがあります。
「洗浄力の強さ」や「お肌へのやさしさ」「テクスチャー」などの違いの部分ですね。
それぞれのクレンジングの違いを事前にある程度理解しておけば、クレンジングを選ぶときにできるだけ失敗を少なくすることができるのは間違いないと思います。
そこで、この記事では、クレンジングの種類を6種類に分けてそれぞれの特徴や使用シーンの違いなどを分かりやすく解説していきます。
この記事を読んでいただくことで
- 自分に合ったクレンジングを見つけたい
- 今使っているクレンジングに満足はしているけれど、正直ベストかはわからない
- しっかりと汚れを落とせるクレンジングを探したい
- 肌の質を今よりももっと良くしたい
こんな悩みをバッチリ解消することができます。
是非参考にしてみてくださいね。
クレンジングの種類とそれぞれの特徴とは?
早速ですが、クレンジングの種類について、どんな種類があるのかをまずは確認してみましょう。
クレンジング剤の種類を大きく分けると、
- クレンジングオイル
- クレンジングリキッド
- クレンジングジェル
- クレンジングクリーム
- クレンジングミルク
- クレンジングシート
と大きく6種類に分けられます。
もちろんクレンジング剤のタイプによって、それぞれ特徴やメリット・デメリットなどがかわってきます。
ですので、肌質やメイクの濃さなども考慮して選ばないと、肌トラブルを起こしてしまう可能性があります。
では、自分にあったクレンジングはどうやって決めればいいのかというと、ポイントは3点あって
- 肌質にあったタイプを選ぶ
- 使用用途(シーン)に合わせる
- メリットとデメリットのバランスを考える
このようなことに注意して選べば、失敗がグッと少なくなります。
例えば、クレンジング剤が「しっとりしている」という特徴は、オイリー肌の人にとってはデメリットになりますが、乾燥肌の人にとってはメリットにもなるということですね。
ここからは、種類ごとに特徴やメリット・デメリットを、くわしくご紹介していきますね。
クレンジングの種類1.クレンジングオイル
まずはじめに、クレンジングオイルの特徴やメリット・デメリットについて、くわしくまとめてみました。
クレンジングオイルは薬局などでも手軽に買えることと商品数も多いため、一番多く利用されています。
普段何気なく使用しているクレンジングオイルについて、詳しく知ってみてくださいね。
クレンジングオイルの特徴
クレンジングオイルは、「オイルをベースに作られた液状のクレンジング剤」で、伸びがよくなめらかな肌ざわりとなっており、いくつかあるクレンジング剤のなかでも、とくに洗浄力が高いタイプです。
クレンジングオイルは、オイルがメイクの油分になじみ、そこに水分が加わることによって、油分と水分が混ざり合って落とすことができます。
通常、油と水分は混ざり合うことはありませんが、油と油ならばカンタンに混ざり合いますね。
化粧品には油分が多くふくまれており、またクレンジングオイルにも油分が多くふくまれています。
その配合量は、油分と洗浄成分(界面活性剤)が同じ割合となっているものが多いです。
油分の量が多くなると、それを洗い流すために洗浄成分の量も多くなります。
そのため、クレンジングオイルを肌に付けてやさしくなでるだけでも、ガンコなメイクにもしっかりとなじんでいきます。
クレンジングオイルに使われている界面活性剤は、洗顔料にふくまれているものとは違うはたらきをしています。
洗顔料に使われている界面活性剤は、余分な皮脂汚れをつつみ込んで皮膚からはがすという「洗浄剤」性質をもっています。
一方、クレンジングオイルの界面活性剤は、メイクの油分と水分が混ざり合うという「乳化剤」の性質をもっています。
乳化剤は、通常ならば混ざり合うことがない油分と水分を混ぜ合わすことができ、この作用によってガンコなメイクを落とすことができるのです。
これが、クレンジングオイルのおもな特徴です。
クレンジングオイルを選ぶメリットとは?
クレンジングオイルには、おもに5つのメリットがあります。
- ガンコなメイクも落とせる…リキッドタイプなど油分の多いファンデーションはもちろん、マスカラやアイメイク、落ちにくいリップなども落とすことができます。
- こすり洗いをしなくていい…肌につけてやさしくなでるだけでもなじんでくれるため、ゴシゴシとこすり洗いをする心配がありません。
- 泡をつくる手間がいらない…洗顔料のように、時間をかけてキメの細かい泡をつくる必要がなく、短時間でメイク落としができます。
- サッパリ・なめらかな洗いあがり…オイルベースだから、洗ったあとにベタつくのでは?と思うかもしれませんね。
クレンジングオイルは、ガンコなメイクも落とすことができる洗浄力をもっているほか、オイルには脱脂力(油分を除去する力)があります。そのため、洗い上がりはサッパリ、仕上がりはなめらかです。
- ふき取りもOK…商品によってはふき取りOKのものもあり、クレンジングオイルをコットンにふくませてメイクをふき取ればカンタンに落とせるため、アイメイクやリップなどのポイントメイク落としに最適です。
クレンジングオイルのデメリットとは?
クレンジングオイルは、使い方によってデメリットを起こすことがあります。
しっかりとデメリットについても知っておきましょう!
- 乾燥しやすい…やさしくなでるだけでメイクを落とせる、強力なクレンジング力があります。
また、オイルの脱脂力もプラスされるので、場合によっては必要以上に皮脂を取ってしまい、乾燥を引き起こす可能性があります。
- 洗い残すと肌トラブルになる…油分の多い化粧品を乳化させるため、ほかのタイプのクレンジング剤よりも、油分と界面活性剤の量が多めになっています。
そのため、洗いのこしがあると、かゆみやかぶれ、ニキビなどの肌トラブルを起こす原因となります。
- 力が入りすぎることもある…洗顔では、泡がクッションになってくれるため手の力が伝わりにくいですが、クレンジングオイルは、乳化剤のため泡が立ちません。
そのため、手の力がダイレクトに伝わり、摩擦を起こして乾燥を招く場合があります。
- グルー(接着剤)の接着力が下がる可能性も…マツエク(まつげエクステンション)をしている場合には、クレンジングオイルは控えたほうがいいかもしれません。
マツエクではグルーと呼ばれる接着剤を使いますが、グルーのなかには油分に弱いものがあり、クレンジングオイルで洗うと、オイルがグルーの接着力を低下させ、マツエクが長持ちしにくくなるとされています。
日本製のグルーは、クレンジングオイルOKというものが多いですが、外国製のなかには油分に弱いものもあります。
そのため、マツエクをしている場合は、クレンジングオイルなどの油性タイプのクレンジング剤は避けたほうがいいでしょう。
ここまでデメリットを見て、ポイントは洗浄力や脱脂力にありそうだと気づいていただけたかと思います。
クレンジングオイルはしっかりと化粧を落とせる分、乾燥肌の原因となってしまうケースがあることと、マツエクに悪影響があることが一番の悩みのたねになるかと思います。
クレンジングの種類2.クレンジングリキッド
次にクレンジングリキッドの特徴・メリット・デメリットをまとめました。
クレンジングリキッドもクレンジングオイルのように手軽に購入できるため使用する方が多いですね。
クレンジングリキッドの特徴
クレンジングリキッドは、オイルと同じ液状のクレンジング剤で、「水分をベース」に作られています。
商品によっては、「クレンジングウォーター」・「水クレンジング」などと呼ばれることもあります。
サラサラとした肌ざわりが特徴でサッパリと洗うことができるため、オイルタイプの使いごこちが苦手な人にオススメです。
リキッドタイプには、オイルを一切使っていない「オイルフリータイプ」のほか、水分をベースにオイルを配合した「オイルインタイプ」もあります。
オイルインタイプのクレンジングリキッドは、「水分が全体の約80%・洗浄成分(界面活性剤)が15%・その他の成分(保湿成分・安定剤など)が5%」という割合でつくられているものが多いです。
クレンジングリキッドを選ぶメリットとは?
クレンジングリキッドには、おもに5つのメリットがあります。
- オイルタイプよりも肌ダメージが少ない…クレンジング剤の中でもっとも洗浄力が高いのがオイルタイプですが、同時に、肌へのダメージも強いです。
それは、オイルと界面活性剤の配合量が同等で、オイルの脱脂力と界面活性剤の洗浄力の2つの刺激を受けてしまうからです。
一方、リキッドタイプは界面活性剤の割合は多いですが、オイルはふくまれていない(ごくわずかである)ため、オイルタイプよりもダメージをおさえることができます。
- 保湿成分が配合されている…クレンジングリキッドには、界面活性剤の刺激をおさえるために、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの保湿成分が豊富ふくまれているものがあり、なかにはリキッド全体の30%以上が保湿成分というものもあります。
このような保湿成分が豊富なリキッドを使うことで、洗い上がりも乾燥することなくしっとりとした肌になります。
- カンタンに洗い流せる…油分が少ないため、すすぎのときにもサッと洗い流すことができます。
商品によっては、ふき取りOKというものもあり、疲れているときや外出先でのメイク落としに便利です。
- マツエクでも使える…クレンジングオイルは、マツエクのグルーの接着力が下がってしまう可能性もありオススメできませんでした。
しかし、オイルフリータイプのクレンジングリキッドならば、油分がふくまれていないのでグルーの接着力が変わらず、マツエクをしている人も安心して使うことができます。
- お風呂でも使える…商品にもよりますが、お風呂で使うことができるタイプも登場しています。
カラダが疲れていると、メイク落としも面倒に感じてしまうこともありますね。
そんなときに、お風呂でもOKなクレンジングリキッドを使えば、お風呂に入ったとき一緒にメイク落としもできるのでとても便利です。
クレンジングリキッドのデメリットとは?
メリットが多いクレンジングリキッドですが、クレンジングリキッドにもデメリットがあります。
- 肌に負担がかかることがある…リキッドタイプは、オイルタイプの次に洗浄力が強いとされ、クレンジングの時間が長くなると、肌を正常に保つための皮脂も取ってしまい、乾燥などを起こす可能性があります。
また、なかには保湿成分の配合量が少ないものもあり、こうしたリキッドを使うことで、肌荒れなどを起こすこともあります。
とくに、乾燥肌や敏感肌の人が保湿成分の少ないリキッドを使うと、必要以上に皮脂を取ってしまい炎症につながる可能性があります。
- メイクが残る場合もある…クレンジングリキッドのなかには、洗いあがりの乾燥おさえるため、保湿成分や栄養成分などを多めに配合している商品があります。
このような商品は、乾燥肌や敏感肌の人でも使えるよう、刺激の少ない界面活性剤を使っているものが多いです。
肌に低刺激な界面活性剤は洗浄力も弱いため、洗ったあとにメイクが残ってしまうことがあります。
とくに、油分の多いリキッドファンデーション・アイメイク・落ちにくいリップなどはメイクが残りがちです。
- 肌への摩擦も心配…リキッドのなめらかな質感を利用してメイクをなじませていくため、チカラ加減によっては摩擦が大きくなり、ダメージを与えてしまう可能性があります。
とくに、ふき取りOKのクレンジングリキッドの場合、コットンでゴシゴシとふき取ってしまうことで、肌のバリア機能が低下して乾燥などを引き起こすことが多いです。
したがって、クレンジングリキッドを使う場合も、チカラ加減にはじゅうぶんに注意する必要があります。
ここまでクレンジングリキッドのデメリットを見てきましたが、クレンジングオイルよりもライトに使える分、化粧の落ちの面で劣った結果、ごしごしとこすってしまったりすることが一番の心配ごとにあげられるかと思います。
特に市販の価格帯が安いものだと「全然メイク落ちないじゃん!」というレベルのものもあったりするので、クレンジングリキッド選びは慎重に行う必要がありそうです。
クレンジングの種類3.クレンジングジェル
クレンジングジェルはリキッドと比べてジェル状になっているため、お肌にのせやすいのが魅力ですね。
そんなクレンジングジェルの特徴や、メリット・デメリットについても、くわしくまとめてみました。
クレンジングジェルの特徴
クレンジングジェルは、その名の通りジェルタイプのクレンジング剤で、プルプルとした弾力ある質感をしています。
クレンジングジェルには、「油性タイプ」と「水性タイプ」の2種類があります。
このうち水性タイプは、油分がふくまれた「オイルインタイプ」と、油分を一切ふくまない「オイルフリータイプ」に分けられます。
- 油性タイプ
- オイルをベースにしたジェルクレンジングで、オイルと界面活性剤や水分を混ぜあわせるために、ゲル化剤を使ってジェル状にしています。
商品にもよりますが、ジェルタイプのなかでは、界面活性剤の配合量が少なめとなっています。
しかし、ベースがオイルであるため油分が多く、またメイクにもなじみやすいことから洗浄力は高めです。
ジェルタイプなので肌への密着力も高く、リキッドファンデーションやリップなどの油分の多い化粧品も落とすことができます。
- 水性タイプ
- 水分がベースのクレンジングジェルで、油分がふくまれた「オイルイン」タイプと、油分がふくまないと「オイルフリー」タイプの2種類があります。
- オイルイン…水分(ベース)と界面活性剤に、少量の油分を加えたジェルで、水性タイプでもメイクになじみやすいタイプです。
油性タイプよりもサラッとした質感で、伸びがよく、洗浄力は弱めですが肌への刺激はやさしいです。
- オイルフリー…水分と界面活性剤で作られているジェルで、油分は一切ふくまれていません。
オイルインタイプよりも低刺激で、皮脂を取りすぎないので乾燥肌や敏感肌の人でも使うことが可能です。
オイルインタイプ同様、サラッとした質感で伸びがよく、洗いあがりはサッパリ・しっとりです。
- オイルイン…水分(ベース)と界面活性剤に、少量の油分を加えたジェルで、水性タイプでもメイクになじみやすいタイプです。
クレンジングジェルを選ぶメリットとは?
クレンジングジェルにはさまざまなタイプがあり、メリットもタイプごとに違っています。
クレンジングジェル全体では、「肌質やメイクの濃さなどから、自分に合ったタイプを選べる」というメリットがあります。
クレンジングジェルのメリットを、分かりやすくタイプ別にまとめました。
クレンジングジェル 油性タイプのメリット
油分の多いメイクにもよくなじむほか、肌への密着力も高いので濃いメイクもしっかりと落とすことができます。
しっかりとした弾力のあるジェルで、顔にのせても垂れることがないので、アイメイクやリップなどポイントメイクを落とすときに便利です。
クレンジングジェル 水性オイルインタイプのメリット
水性タイプのなかでは、もっともメイクになじみやすく洗い残しも比較的少ないです。
伸びがよいので摩擦が起こりにくく、肌への負担をおさえられます。
油性タイプよりも肌への刺激が少ないほか、メイクなじみもよいことから、「肌への刺激の低さ」と「洗浄力の高さ」をもとめる人にオススメです。
クレンジングジェル 水性オイルフリータイプのメリット
クレンジング剤のなかで、肌への刺激が少ないタイプとなります。
メイクを落としながらも、必要な皮脂はきちんと残すことができるため、肌が弱い人でも使いやすいです。
クレンジングジェルのデメリットとは?
クレンジングジェルのデメリットも、タイプによって違いがあります。
デメリットにおいても、それぞれのタイプに分けてくわしくご紹介しますね。
クレンジングジェル 油性タイプのデメリット
ベースは油分ですが、クレンジングオイルと比べると配合量は少ないです。
しかし、洗浄力はクレンジング剤のなかで中間レベルとなり、比較的高めです。
さらに、オイルの脱脂力もプラスされるため、クレンジングの方法によっては皮脂の取りすぎが起こる可能性があります。
皮脂を取りすぎると、肌のバリア機能が低下して肌の水分が失われ、乾燥・かゆみ・ニキビなどの肌トラブルを引き起こしてしまいます。
クレンジングジェル 水性オイルインタイプのデメリット
水性オイルインは、肌への刺激をおさえつつ、メイクとなじんで落とすことができます。
しかし、このタイプはベースが水分であるため、油分が入っていてもその割合は少ないです。
そのため、ポイントメイクなどの油分の多い化粧品ではメイクの油分をしっかりと浮かすことができず、メイクが残ってしまう可能性があります。
皮脂を取りすぎる心配は少ないですが、刺激の強い界面活性剤を使っていると、肌へダメージを与えることが考えられます。
マツエクをしている場合、商品によってはグルーの効果を低下させてしまう可能性もあり、オイルインタイプを選んだことで、マツエクがはやく取れてしまう可能性も否定できません。
そのため、マツエクをしている人は、水性オイルインタイプは避けるか、使う場合にはじゅうぶんに注意しましょう。
クレンジングジェル 水性オイルフリータイプのデメリット
オイルが一切ふくまれておらず、また界面活性剤も刺激の少ないものが多いため肌ダメージを起こしにくいですが、洗浄力も弱めです。
そのため、濃いメイクの場合には、水性オイルフリータイプだとメイクをしっかり落としきれないことがあります。
肌への刺激が少ないものでも、一度に何回もクレンジング剤を使えば、肌への負担は大きくなりトラブルを起こす確率は高くなってしまいます。
こうした理由から、水性オイルフリータイプは、濃いメイクをする人にとってはデメリットになる場合があります。
クレンジングの種類4.クレンジングクリーム
次に、クレンジングクリームの特徴やメリット・デメリットについて、くわしくまとめてみました。
クレンジングクリームはクリームタイプの洗顔料や日焼け止めクリームと近いイメージで使用できるので、お肌に「オイル」を乗せるのに抵抗がある人にとっては使い勝手がいいですよね。
そんなクレンジングクリームについてもしっかりと知ってみてくださいね。
クレンジングクリームの特徴
クレンジングクリームは、柔らかいクリーム状のクレンジング剤で、「洗い流すタイプ」と「ふき取るタイプ」の2種類があります。
メイクを落とすためには界面活性剤が必要ですが、この界面活性剤には、油分を溶かして水で洗い流す「洗浄剤」の役割と、油分と水分を混ぜ合わす「乳化剤」の役割をもつ2つのタイプがあります。
「洗い流すタイプ」と「ふき取るタイプ」の違いにおいては、界面活性剤が大きく関係しています。
- 洗い流すタイプ
- ガンコなメイクを、溶かして・洗い流すクレンジングクリームです。
溶かす役割をもっている成分が「乳化剤」、また洗い流す役割をもっている成分が「洗浄剤」であり、どちらも界面活性剤の1種です。
洗い流すタイプのクレンジングクリームには、乳化剤と洗浄剤の2種類の界面活性剤が使われており、配合されている界面活性剤の量は多めとなっています。
界面活性剤は、溶かす役割をもつ乳化剤だけでもいいのでは?と思うかもしれませんね。
クレンジングクリームには、界面活性剤のほかにオイルも多くふくまれています。
乳化剤だけではすべての油分を浮かすだけの量が足りず、洗い流す際にメイクの油分は落とせたとしても、クレンジングクリームのオイルが残ってしまう可能性があるのです。
クリームのオイルが残ってしまうと、洗ったあともヌメリが取れずサッパリとした使いごこちが実感できません。
そこで、皮膚についた油分を浮かしてはがすことができる「洗浄剤」をプラスすることで、すべての油分をキレイに肌からはがすことができ、洗いあがりがサッパリするわけです。
- ふき取るタイプ
- ふき取るタイプは水で洗い流さないタイプが多く、洗浄剤はふくまれず、乳化剤の界面活性剤のみが使われています。
質感は、洗い流すタイプと同じやわらかめのクリームで、界面活性剤・オイルのほかに、美容液などにも使われる保湿成分などが豊富にふくまれています。
そのため、洗いあがりもしっとりとして乾燥しにくい特徴があります。
クレンジングクリームを選ぶメリットとは?
クレンジングクリーム全体のメリットとしては、クレンジング剤のなかで「もっとも低刺激である」ことです。
油分と水分がバランスよくふくまれており、そこに少量の界面活性剤をくわえることで乳化した状態で使うことができ、肌につけて軽くなじませるだけでメイクを浮かすことができます。(乳化するのを待つ時間が必要ない)
また、クレンジングクリームの界面活性剤の割合は「全体の約5%~10%」のものが多く、肌にもやさしいのです。
もっとも界面活性剤の量が多いとされるクレンジングオイルにおいては、ベースとなるオイルの量と、界面活性剤の量が同じ割合で配合されているものもあります。
それと比べてみても、クレンジングクリームが低刺激であることが分かりますね。
では、洗い流すタイプとふき取るタイプに分けて、それぞれのメリットを見ていきましょう。
クレンジングクリーム 洗い流すタイプのメリット
なめらかな質感のクリームであり、油分も多く肌につけたときの伸びもいいです。
そのため、強くこすり洗いをする必要がなく、摩擦も起こりにくいというメリットがあります。
さまざまな肌トラブルは、摩擦によって肌のバリア機能が低下することによって起こってきます。
とくに、油分の少ないクレンジング剤は、オイルのクッション性や滑りが得られないため、少しチカラを入れただけで摩擦を起こし、ダメージを与えてしまうことがあります。
その点、クレンジングクリームは、油分のクッション性が摩擦をおさえて肌へのダメージを軽減します。
ほかのクレンジング剤よりも保湿成分が多めもふくまれているので、しっとり洗いあげることができ乾燥を防ぎます
クレンジングクリーム ふき取るタイプのメリット
ふき取るタイプのクレンジングクリームには、洗い流す必要がある洗浄剤が含まれていません。
そのため、クレンジングが肌に残っても刺激になることは少なく、肌トラブルになりにくいです。
また、美容液などに含まれているヒアルロン酸やコラーゲンなどの「保湿成分」も豊富に含まれているため、メイクを落とした後も乾燥することはありません。
ふき取るタイプの大きなメリットとしては、コットンにつけてやさしくふき取るだけでOKなので、「洗面所以外のどこでもメイク落としができる」という点にあります。
クレンジングクリームのデメリットとは?
クレンジングクリーム全体のデメリットとしては、界面活性剤の量が少ないため「洗浄力が弱い」という点があげられます。
油分が多いため界面活性剤の量が少なくて済み、肌へのダメージを避けることができますが、オイルよりも乳化剤の量が少ないため、1回のクレンジングでは完全にメイクを落とすことができない場合があります。
クレンジングクリームのデメリットも、タイプ別に分けてくわしくご紹介しますね。
クレンジングクリーム 洗い流すタイプのデメリット
ふき取るタイプよりも界面活性剤の量は多めですが、ほかのクレンジング剤と比べると少なめです。
そのため、きちんとメイクを落とすためには、ダブルクレンジングが必要となる場合があります。
いくら、肌へのダメージが少ないとものでも、一度に何回もクレンジングを行うことは、肌のバリア機能を低下させ、トラブルを起こす可能性が高くなります。
また、メイクが残っていると、サッパリとした洗いごこちが実感できず、ベタつきが気になる場合もあります。
すすぎでヌメリ感をなくそうと、ついゴシゴシとこすりながらすすいでしまい、肌トラブルを引き起こすこともあります。
クレンジングクリーム ふき取るタイプのデメリット
保湿力成分が豊富にふくまれ、美容液のような効果が得られるものもありますが、1回でメイクを落とそうとしてこすると、肌を傷つけてしまう可能性があります。
このタイプは、手軽でどこでも使えるのが魅力ですが、メイクの濃さによっては、ふき取るだけでは完全に落としきることができない場合があります。
メイクが皮膚に残ってしまうと、皮脂と混ざって酸化を起こし、やがて毛穴の黒ずみへとつながるほか、毛穴につまって雑菌が繁殖し、ニキビを引き起こす可能性もあります。
クレンジングの種類5.クレンジングミルク
クレンジングクリームよりももう少しサラサラしているクレンジングミルクは、「クレンジングクリームよりももっと柔らかく使いたい」という方や、「クレンジングクリームだと少しベタつきが気になる」という方が、クレンジングミルクに切り替えるということがあります。
また、クレンジングミルクは商品数も多いため選びやすいですね。
ここではクレンジングミルクの特徴や、メリット・デメリットについて、くわしくまとめてみました。
今現在クレンジングミルクを使っている方は、チェックしてみてください。
クレンジングミルクの特徴
クレンジングミルクは、乳液のようになめらかな質感のクレンジング剤で、伸びがよく、摩擦を起こすことなくクレンジングができます。
オイルと水分のバランスがよく、界面活性剤の量が少なめですが、クレンジングクリームと比べると、クレンジングミルクのほうが界面活性剤の割合はやや多めです。
ですが、クリームタイプとそれほど大きな差はないので、肌ダメージの心配もなく安心して使うことができます。
商品によっては、刺激の強い高級アルコール系界面活性剤を避けて、刺激の少ないアミノ酸系界面活性剤を使っているものもあり、敏感肌や乾燥肌の人でも安心して使うことができます。
クレンジングミルクを選ぶメリットとは?
クレンジングミルクには、おもに5つのメリットがあります。
- 肌への刺激が少ない…界面活性剤のふくまれる割合は、クレンジング剤のなかでも2番目に少なく、なかにはもっとも少ないクリームタイプと同等なものもあります。
低刺激な界面活性剤ならば肌へのダメージも少なく、乾燥やシワなどのトラブルが起こりにくいです。
ブランドによっては、刺激の強い化学合成成分を無添加として、とことん低刺激にこだわったものもあり、肌の弱い人でも安心して使うことができます。
- メイクになじみやすい…油分と水分のバランスがよく乳化した状態なので、肌につけてやさしくなでるだけで、メイクとなじんで浮かします。
クレンジング時間が長くなると、必要な皮脂を取りすぎてしまい肌へのダメージが大きくなってしまいます。
クレンジングミルクは、メイクなじみがいいため洗う時間も比較的短くて済み、肌への負担をおさえることができます。
- 摩擦が起こりにくい…ミルクのオイルがクッション代わりとなり、クレンジングの際には摩擦をおさえてメイクをおとすことができ、必要な皮脂を残して洗いあげることができます。
必要な皮脂が残ることで肌のバリア機能が正常に保たれ、うるおいのある肌を保てます。
- 適量でクレンジングができる…ミルクタイプはのびがいいので、適量のクレンジング剤でメイク落としがじゅうぶん可能です。
クレンジングの量が多くなれば肌への負担が大きくなるほか、コストパフォーマンスも下がってしまいます。
クレンジングミルクの質感は乳液のようで滑りもいいため、適量でもじゅうぶんにクレンジングが可能です。
- 洗いあがりに乾燥しにくい…「成分全体の約90%が美容成分」・「界面活性剤が全体の10%以下」という美容液にちかいクレンジングミルクもあります。
このような商品を使うことによって、クレンジング効果と一緒に保湿効果も得られるため、使いつづけることで美肌へと導いてくれます。
クレンジングミルクには多くのメリットがありますね。
普段、メイクをあまり濃いめにはしないという方にとってはとても使い勝手のいいクレンジングだと感じます。
クレンジングミルクのデメリットとは?
肌の弱い人でも、安心して使える商品が多いクレンジングミルクですが、逆にデメリットもありますので合わせてチェックしてみてください。
- 洗浄力が弱い…ミルクタイプは、クレンジング剤のなかでも界面活性剤の量が少ないほか、洗浄力の弱いアミノ酸系界面活性剤が使われていることが多いです。
そのため、ほかのクレンジング剤と比べて洗浄力が弱く、濃いメイクでは、じゅうぶんに落とせない場合があります。
- 水分量が多いと時間がかかる…ミルクタイプでも、油分よりも水分が多いものはメイクなじみが悪くなります。
すると、肌につけてからメイクが浮き上がるまでに時間がかかってしまい、ストレスを感じることがあります。
とくに、疲れているときや時間がないときにクレンジングミルクを使うと、クレンジング時間を短縮させようと強くこすり洗いをしてしまい、それが原因で乾燥などの肌トラブルを起こす可能性があります。
- 洗いあがりがベタつく…脂性肌(オイリー肌)の場合、ミルクのオイルや豊富な保湿成分によって、洗いあがりにベタつきを感じることがあります。
とくに、サッパリとした洗いあげたい人にとって、乳化剤をふくむクレンジングミルクなどでは洗浄剤のようなサッパリとした洗いあがりにならないため、ベタつきを感じてしまうかもしれません。
- 洗いのこしが出ることもある…油分の多い化粧品の場合、洗浄力の弱いクレンジングミルクでは完全に落としきれない場合があります。
クリームタイプと同様、何度もクレンジングをすることは、たとえ低刺激のものを使っていても摩擦によって肌にダメージを与えてしまうため、避けなければなりません。
ここまで、デメリットを見てみるとお肌への優しさと引き換えに洗浄力の点で劣る部分があることがわかりますね。
特に疲れて帰ってきてクレンジングは短時間で済ませたいと思っている方は、メイクの落とし残しに気をつかわなければいけない部分がデメリットとして大きく感じてしまうこともあるようです。
クレンジングの種類6.クレンジングシート(拭き取りクレンジング)
クレンジングシートは、これまでご紹介してきたクレンジング剤とは、少し特徴が違っています。
クレンジングシートの特徴やメリット・デメリットについて、くわしく見ていきましょう。
クレンジングシートの特徴
クレンジングシートは、ローションタイプのクレンジング剤をしみ込ませたシートを使って、メイクをふき取って落とすものです。
洗い流す必要がないものがほとんどであり、どこでも手軽に使うことができるのが大きな特徴です。
外出中にきちんとしたクレンジングができない場合や、疲れていてカンタンにクレンジングを済ませたいときなどに使うと便利です。
クレンジングシートを選ぶメリットとは?
クレンジングシートの一番のメリットは、「手軽にクレンジングができる」という点にあります。
洗い流さなくてOKなのでタオルなどの準備も必要なく、また洋服を濡らす心配もありません。
クレンジング力も高いので、シートを押さえるだけでもメイクを落とすことができます。
ローションタイプのクレンジング剤をしみ込ませているので、メイクを落としたあとはサッパリします。
クレンジングシートのデメリットとは?
クレンジングシートは手軽にメイクを落とすことができますが、その反面、強くこすりすぎて肌にダメージを与える可能性が高いです。
シートを押さえるだけでメイクを落とすことができることから、洗浄力・高刺激な界面活性剤を使っていることが多く、さらには雑菌が繁殖しないように防腐剤としてアルコールをふくんでいるものもあります。
このようなクレンジングシートを使いつづけると、肌のバリア機能がくずれて内部の保湿成分が失われ、肌荒れなどのトラブルにつながる危険性があります。
シートでふき取っただけでは、クレンジング剤やメイクが残っている場合も多く、毎日クレンジングシートを使っていると、肌荒れのほかにニキビなども引き起こす可能性があります。
水性タイプのクレンジングと油性タイプのクレンジングはどう違いがある?
クレンジング剤は、質感や界面活性剤の量で分けることができるほか、水分と油分の割合によって「水性タイプ」・「油性タイプ」の2種類に大きく分けることができます。
クレンジング剤の特徴のでもカンタンに触れましたが、ここでは「水性タイプ」・「油性タイプ」の違いについて、特徴や用途などからよりくわしくご紹介していきますね。
水性タイプのクレンジングの特徴や用途とは?
水性タイプの特徴とともに、どのようなメイクに効果的かについて、くわしく見ていきましょう。
水性タイプのクレンジング剤の特徴とは?
水性タイプは、ベースが「水分」からなるクレンジング剤です。
液状またはジェル状のものが多くサラッとした質感で、洗いあがりはサッパリと仕上がります。
水性タイプには、「クレンジングリキッド」・「クレンジングジェル」・「クレンジングシート」などがあります。
このタイプは、少量の油分をふくんだ「オイルイン」タイプと、まったく油分をふくまない「オイルフリー」タイプの2種類があります。
クレンジング剤は、油分が多いメイクをキレイに落とすことが目的であり、ほとんどのクレンジング剤には、オイルが多くふくまれています。
オイルがふくまれることによって、同じ油性のメイクにもよくなじむため、界面活性剤の量をおさえることができます。
一方、水性タイプは、ベースが水分であり油分が非常に少ない(全くふくまれていない)です。
そのため、油分の多いメイクを落とすために、洗浄力の強い界面活性剤のチカラを借りる必要があり油分がない分、界面活性剤の量も多くなっています。
水性タイプは、サラッとした質感をしているので肌への刺激も少ないように感じますが、洗浄力の強いものは刺激の強い界面活性剤を使っているため、注意が必要です。
水性タイプのうちクレンジングジェル・クレンジングリキッドには、「オイルイン」と「オイルフリー」の2つタイプがあります。
オイルインは、オイルがふくまれているので油性タイプじゃないの?と思うかもしれませんね。
クレンジング剤における水分・油分の判断基準は、「ベースに水とオイルのどちらを使っているか」という点にあります。
そのため、クレンジングの成分に少量のオイルがふくまれていたとしても、ベースが水分であれば、それは「水性タイプ」のクレンジング剤となるのです。
水性タイプのクレンジング剤の用途とは?
水性タイプのクレンジング剤は、「メイクの濃さ」・「肌質」・「マツエクの有無」などによって、使い分けをしていくのが効果的です。
水性クレンジング 使い分けポイント1:メイクの濃さ

水性タイプでは、選ぶクレンジング剤を間違えるとメイクを落としきれない可能性があります。
水性タイプのクレンジング剤には、おもに「クレンジングリキッド」と「クレンジングジェル」があることは、先ほどご説明しましたね。
このうち、クレンジングジェルで濃いメイクを落とそうとすると、じゅうぶんに落とせない可能性があります。
なぜなら、ジェルタイプは、リキッドタイプよりも界面活性剤の量が少ないからです。
界面活性剤の配合量は、オイルタイプが1番多く、2番目にリキッドタイプ、3番目にジェルタイプとなっています。
オイルインタイプのジェルを使っても、ベースは水分であるため、配合されているオイルの量ではメイクの油分を浮かしきれない可能性があります。
したがって、濃いメイクを落とす場合には「クレンジングリキッド」、ナチュラルメイクを落とす場合には「クレンジングジェル」というように、メイクの濃さによって使い分けることをオススメします。
水性クレンジング 使い分けポイント2:肌質
水性タイプは、油分が少ないか全くふくまれていないのでサッパリとした洗いあがりになります。
皮脂の分泌量が多い脂性肌(オイリー肌)の人が使うと、しっかりとメイクを落とせるほか、洗いあがりもベタつくことなくサッパリ感を得られやすいです。
したがって、脂性肌の人には「リキッドタイプ」・「オイルフリージェルタイプ」などがオススメです。
ニキビ肌の人は、ベタつきをおさえるためオイルフリータイプのジェルを選びがちですが、乾燥させてしまうとニキビを悪化させることになるため、多少の油分は必要です。
ニキビ肌で油性タイプを使いたくない人は、低刺激なアミノ酸系洗浄成分を使った水性タイプのクレンジング剤を選び、さらに「保湿成分が豊富」なタイプを選ぶといいでしょう。
乾燥肌や敏感肌の人の人には、水性タイプのクレンジング剤は皮脂を取りすぎる可能性があるため、なるべく避けたほうがいいでしょう。
水性クレンジング 使い分けポイント3:マツエクの有無

マツエク(まつ毛エクステンション)はグルーとよばれるマツエク専用接着剤を使いますが、グルーの種類によっては油分に弱いものもあります。
そのため、マツエクをしている人は、油性タイプよりも水性タイプのクレンジング剤(なるべくオイルフリーなもの)がオススメです。
油性タイプのクレンジングの特徴や用途とは?
油性タイプのクレンジング剤の特徴や、どのようなメイクに効果的なのかについても、くわしくご紹介していきますね。
油性タイプのクレンジング剤の特徴とは?
ベースに「オイル」を使ったクレンジング剤のことで、同じ油分からなるメイクにもよくなじみ、浮かして落とすことができます。
油性タイプには、オイルの多い順に「クレンジングオイル」・「クレンジングクリーム」・「クレンジングミルク」となります。
界面活性剤の量でもクレンジングオイルが1番多く、2番目にクレンジングクリーム、3番目にクレンジングミルクとなります。
肌への刺激については、オイルタイプがもっとも刺激が強い(クレンジング剤全体でも1番強い)ですが、クリームタイプ・ミルクタイプに関しては、クレンジング全体のなかでも刺激が弱い種類になります。
クリームタイプとミルクタイプの刺激の差については、商品によって界面活性剤の量や、油分・水分のバランスにあまり差がないものもあり、この2つのタイプではほとんど差がないと言っていいでしょう。
油性タイプの界面活性剤は、油分と水分を混ざりやすくする「乳化剤」のはたらきをもっており、洗顔料にふくまれる界面活性剤(洗浄剤)とはちがいます。
洗顔料のように、キメの細かい泡で洗ってもメイクを落とすことは可能ですが、完全に落とすことはむずかしいです。
洗浄剤は、皮脂を皮膚からはがして洗い流すものであり、皮脂は泡で洗い流すだけでもカンタンに取りのぞくことができます。
ところが、メイクのような油分の多い汚れは、皮膚に密着しているため、洗浄剤の泡ではじゅうぶんに落としきることができないのです。
したがって、メイク汚れには泡でつつみ込んで洗う洗浄剤よりも、油分となじむ乳化剤のほうが効果的なわけです。
油性タイプのベースは、オリーブ油やホホバ油などの植物性オイルが使われていて安全性が高いです。
メイクなじみもよく滑りもいいので、やさしくなでるだけでガンコなメイクもキレイに落とすことができます。
また、オイルのすべりの良さが摩擦を起こりにくくしており、こすり洗いを防ぐこともできます。
油性タイプのクレンジング剤の用途とは?
油分が多いため伸びがよくメイクなじみもいいので、リキッドファンデーショや、ポイントメイクなどのクレンジングに効果的です。
クレンジングオイルは、オイルと界面活性剤の量が同じくらいためクレンジング力は高く、肌に与える負担も大きくなりがちです。
そのため、メイクの濃さに関係なく毎日クレンジングオイルを使っていると、必要な皮脂までをも取ってしまい乾燥や肌荒れなどを招く可能性があります。
したがって、クレンジングオイルは、濃いメイクをしたときなどポイントで使うことをオススメします。
クリームタイプ・ミルクタイプについては、油分と水分がバランスよくふくまれていて保湿成分なども豊富なので、肌への負担をおさえながらメイク落としができ、洗いあがりにつっぱることもありません。
ただし、洗浄は弱めなので、濃いメイクの場合にはメイクが残ってしまう可能性があります。
したがって、クリームタイプ・ミルクタイプについては、毎日のクレンジングに利用するのがオススメです。
オイルフリータイプのクレンジングを使った方がいいケースはどんなとき?
オイルフリータイプのクレンジングは、「肌への負担を極力おさえる」ことを目的に作られているものが多いです。
たとえば、界面活性剤に低刺激のアミノ酸系洗浄成分を使っていたり、肌に刺激を与える化学合成成分をまったく使わないものもあります。
洗いあがりの乾燥を防ぐために保湿成分を豊富に配合し、さらに天然由来の栄養成分をプラスして、肌トラブルを起こしにくくしているものなどもあります。
油性タイプは、脂性肌の人が使うと、洗いあがりにベタつきを感じることが多く、またニキビ肌の人は、油分がニキビを増やしてしまうと勘ちがいして、オイルタイプ自体を嫌う傾向にあります。
オイルフリータイプは、油分が一切使われていないため、オイルインタイプよりも肌にやさしく、また天然由来の美容成分などもふくまれているので、メイクを落としながらもうるおいを保つことができます。
したがって、脂性肌でベタつきをおさえたい人や、ニキビ肌でオイルタイプを避けたい人などには、オイルフリータイプはオススメです。
お風呂場でも使えるクレンジング剤って実際どうなの?
疲れて帰ってくると、「お風呂に入ったときにメイク落としも一緒にやってしまいたい」と思うことがありますね。
最近では、「お風呂でOK」のクレンジング剤も多く登場していますが、お風呂で使うとクレンジング効果が落ちてしまう気もします。
では、実際のところお風呂で使えるクレンジング剤の効果はどうなのでしょうか?
ここでは、「クレンジングによってメイクが落ちる仕組み」から検証してみたいと思います。
まず、お風呂に浸かってカラダを温めることで、毛穴が開いてきます。
この状態でクレンジングを行うことで、毛穴の中までクレンジング剤が入り込んで浮かすことができ、しっかりとメイクを落とせるようになります。
このことから、お風呂でメイクを落とすことは効果的に感じます。
オイル系のクレンジング剤は、手や顔が乾いた状態でつけることが原則であり、水分をふくまない状態でメイクとなじませ、そのあと少量のぬるま湯を加えて乳化させてメイクも落としていきます。
では、なぜ先に水分をふくませてはいけないのでしょう?
それは、顔につける前にクレンジング剤が水分をふくんでしまうと、メイクとなじむ前に乳化が始まってしまい、クレンジング効果が低下してしまうからです。
お風呂でOKのクレンジングもありますが、そのようなクレンジング剤でも、裏面の注意書には「濃いメイクを落とす場合には、手と顔は乾いた状態でお使いください」と記載されています。
これは、お風呂OKのクレンジング剤でも、乾いた状態で行うときと比較した場合、クレンジング効果が低下してしまうことを意味しています。
したがって、お風呂でOKのクレンジング剤でも、効果を高めるためには「手や顔の水分をふき取ってから使う」ことをオススメします。
このポイントをおさえて使えば、お風呂でOKのクレンジング剤でも、じゅうぶんなクレンジング効果を得られるでしょう。
クレンジングの種類についてのまとめ
クレンジングには多くの種類があることがわかりましたね。
大事なポイントは、用途によって自分の使用スタイルに合わせて使い分けるということです。
まとめとしては…
- クレンジングの形状…大きく分けると6種類
- 水性or油性…水性の場合はオイルフリーかどうかもチェック
この2点のポイントをチェックして、メリットとデメリットも知ったうえで自分に合いそうなものを選べばOKですね!
マツエクがついているかどうか、お風呂で使うのかコットンで落とすのかによって複数を使い分けるのもアリなので、ぜひいろいろ試してみてください。
次に、ライフスタイルによって最適な「洗浄力」のクレンジングを選ぶためのポイントについて解説していきます。
クレンジングの使い分けはどうすればいい?種類ごとの洗浄力の強さについて
クレンジング剤にはおもに6種類のタイプがあり、それぞれで特徴やメリット・デメリットが違っており、なかには毎日のクレンジングに使うと、肌に大きな負担をかけてしまうものもあります。
仕事の日はビジネスメイク、休みの日はOFFモードのメイクをするなど、日によってメイクの仕方を変えることもありますね。
メイクの濃さが違っているのにクレンジング剤が同じでは、きちんとメイクを落とすことができなかったり、肌にダメージを与えてしまう可能性があります。
そのため、メイクを落としは「クレンジングの強さ」や「肌質」などで使い分けることがポイントとなります。
ここからは、「クレンジングの強さ」と「肌質」で使い分けたとき、もっともオススメなタイプをご紹介していきましょう。
使い分けその1:クレンジングの強さで使い分ける
クレンジング剤は、それぞれ洗浄力の強さが違っており、どれを選ぶかによって肌への刺激の強さも変わってきます。
肌への刺激が少ない(洗浄力も弱め)種類のクレンジング
- ☆オススメの種類☆
-
- クレンジングミルク
- クレンジングクリーム
「肌への刺激」と「洗浄力」は比例しています。
そのため、肌への刺激の低さを一番に考えると、必然的にクレンジング力も弱くなります。
肌に低刺激なクレンジング剤は「クレンジングミルク」であり、次に「クレンジングクリーム」です。
クリームタイプのほうが、ミルクタイプよりもやや油分が多めなので、界面活性剤の量も多めとなっており、肌に与える刺激がやや強まる可能性があります。
これらのクレンジング剤には、低刺激のアミノ酸系界面活性剤が使われていること多く、肌への刺激も一番おさえられています。
クレンジングミルクは乳液、クレンジングクリームはヘアトリートメントのようななめらかな質感で、どちらものびがよく滑りもいいので摩擦が起こりにくいです。
したがって、肌への刺激が少ないクレンジング剤は、「クレンジングミルク」がもっとも向いており、次いで「クレンジングクリーム」となります。(この2種類の刺激の強さには、ほとんど差はありません)
洗浄力が強めの種類のクレンジング
- ☆オススメの種類☆
-
- クレンジングオイル
- クレンジングリキッド
洗浄力がもっとも強いタイプは、クレンジングオイルで、2番目がクレンジングリキッドです。
クレンジングオイルはベースがオイルであり、油分が多いとそれを乳化させるための界面活性剤も必然的に多くなります。(割合では、オイルと界面活性剤が同じくらいです。)
オイルはメイクの油分となじみやすい特徴があり、そのオイルが豊富にふくまれるクレンジングオイルは、メイクを残さずなじませることができます。
そこに、オイルと同量の乳化剤がはたらくことによって、オイルとなじんだメイク汚れを乳化させ、しっかりと混ぜ合わせて落とすことができるのです。
一方、クレンジングリキッドは、水分がベースとなっているため、オイルのチカラを借りることができません。
そのため大量の洗浄剤でメイクを落としていくことになり、界面活性剤の量が増えれば、その分洗浄力も強くなるわけです。
したがって、洗浄力が強いクレンジング剤としては「クレンジングオイル」がもっとも向いており、次に「クレンジングリキッド」となります。
使い分けその2:肌質で使い分ける
肌質は人それぞれ違うため、たとえ口コミで「〇〇〇のクレンジング剤がオススメ!」と紹介されていても、それが自分の肌に合うとは言えません。
クレンジング剤で肌トラブルを起こさないようにするためには、「自分の肌質に合わせて使い分ける」ことが大切です。
乾燥肌にオススメのクレンジングは?
- ☆オススメの種類☆
-
- クレンジングクリーム
- クレンジングミルク
乾燥肌の人がクレンジング剤を選ぶ場合、「肌ダメージをおさえながらメイクを落とせること」・「しっとりとした洗いあがりになること」に注意する必要があり、その条件を満たしているのが、「クレンジングクリーム」と「クレンジングミルク」です。
クレンジングクリームは、なめらかな質感で油分もふくまれており、肌につけた時に滑りがよく摩擦が起きにくいです。
そのため、肌への負担が少なく、肌の状態を悪化させる心配がありません。
また、高い保湿力をもつ「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」などの美容成分が豊富にふくまれているものも多く、乾燥で低下しがちな肌バリア機能をサポートしてうるおいを保ってくれます。
クレンジングミルクはクリームタイプよりもなめらかな質感で、さらに伸びがいいです。
油分もふくまれているので、乳液をつけている感覚でメイクを落とすことができ、保湿力も高いので肌への刺激もおさえられます。
クリームより水分量が多めなためクレンジング力は弱いですが、ナチュラルメイクならば、じゅうぶんに落とすことができます。
「低刺激・高保湿」の商品が多いので、洗いあがりに起こりやすい乾燥の悪化を防ぐこともできます。
こうした理由から、乾燥肌にオススメのクレンジング剤は1番が「クレンジングクリーム」、2番に「クレンジングミルク」です。
脂性肌(オイリー肌)にオススメのクレンジングは?
- ☆オススメの種類☆
-
- クレンジングクリーム
- クレンジングジェル(乳白色タイプ)
ベタつきがちな脂性肌の場合、サッパリした洗いあがりを求めるあまり、洗浄力の強いクレンジング剤を使ってしまいがちです。
ほかの肌質と比べると皮脂量は多めですが、だからといって皮脂を全部取ってしまうと、肌が乾燥してしまい、さまざまな肌トラブルを起こす可能性があります。
そのため、脂性肌でも全ての皮脂を取ることはNGなのです。
そこで、脂性肌の人にオススメしたいのは、「クレンジングクリーム」と「クレンジングジェル(乳白色タイプ)」です。
クレンジングクリームは、必要な皮脂を残してくれ洗いあげることができ、肌の乾燥を防げるためとくにオススメです。
クレンジングジェルには「透明ジェル」と「乳白色ジェル」がありますが、透明ジェルは油分が少なく界面活性剤が多いため、必要以上に皮脂を取ってしまい脂性肌でも乾燥を招くおそれがあります。
一方、乳白色ジェルは、メイクなじみがよくなるようにあらかじめ乳化させた状態となっています。
そのため、透明ジェルと比べて界面活性剤の量が少なくて済み、油分もふくまれているので乾燥をおさえることができます。
また、ジェルの弾力が肌にかかる摩擦も軽減してくれるため、ダメージもおさえられます。
こうしたことから、脂性肌の人には「クレンジングクリーム」がもっとも向いており、次いで「クレンジングジェル(乳白色タイプ)」となります。
年齢肌にオススメのクレンジングは?
- ☆オススメの種類☆
-
- クレンジングクリーム
- クレンジングジェル(乳白色タイプ)
歳を重ねることによって、肌にはさまざまな変化が起こってきます。
たとえば、肌のターンオーバー(肌細胞の生まれ変わりサイクル)がくずれて、肌のハリや弾力のもとであるコラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどの保湿成分やハリ成分が失われていきます。
これらの成分が失われると、シワ・たるみ・シミ・毛穴の開き・毛穴の黒ずみといった肌の老化現象が起こってくるのです。
こうした年齢肌は、クレンジング剤の間違った選び方でも影響してくるため、慎重に選ぶ必要があります。
年齢肌のクレンジング剤を選ぶ際には、「保湿力が高いこと」・「適度な洗浄力があること」・「低刺激であること」・「余計な成分が入っていないこと」などに注意して選ぶ必要があります。
肌のおとろえは、内部にある保湿成分が失われることによって起こるため、洗いあがりの乾燥を極力おさえることが重要です。
そのためには、クレンジング剤に「保湿成分がどのくらいふくまれているか」がポイントとなります。
とくに、注目したい成分は「ヒアルロン酸」・「コラーゲン」・「エラスチン」・「セラミド」などの高保湿成分やハリ成分、「ビタミンC」・「ミネラル(亜鉛・マグネシウムなど)」といった美容成分などで、これらが豊富にふくまれているクレンジング剤を選ぶと、洗いあがりの乾燥を防ぐことができます。
歳を重ねてくると、若いころのような派手なメイクや濃いメイクをすることが少なくなり、年齢に応じた落ちつきのあるメイクへと変わってきますね。
ですので、強い洗浄力のクレンジング剤を毎日使う必要はありません。(ただし、刺激ばかりを気にして洗浄力の弱いものを選んでしまうと洗いのこしが出る可能性があるので、ある程度の洗浄力は必要です。)
年齢肌は、チョットした肌トラブルでも、すぐにダメージへとつながってしまうため、クレンジングで洗いのこしを出すことは避けなければなりません。
では、年齢肌のクレンジング剤では、どの程度の洗浄力が必要なのでしょう?
それは、「普段のメイクがきちんと落とせる洗浄力」をもつクレンジング剤を選ぶのが効果的であり、オススメなのは「クレンジングクリーム」または「クレンジングジェル(乳白色タイプ)」です。
使い分け番外編:手軽に済ませたいならどのクレンジングがオススメ?
- ☆オススメの種類☆
- クレンジングシート
クレンジングリキッド
手軽に済ませたいときには、「クレンジングシート」・「クレンジングリキッド(ふき取りOKタイプ)」などがオススメです。
クレンジング剤のなかで、もっともカンタンにメイクを落とせるタイプは、洗い流す必要のない「クレンジングシート」です。
クレンジングシートには、あらかじめクレンジングローションがふくまれた状態であり、メイクの上から軽く押えるだけでカンタンに落とすことができます。
そのため、自宅以外でメイクを落とすときや、疲れているときのクレンジングに便利です。
クレンジングリキッドのなかにはふき取りもOKなタイプもあり、コットンにリキッドをふくませることによって、クレンジングシートと同じ使い方ができます。
こうした理由から、手軽に済ませたいときには「クレンジングシート」や「ふき取りOKのクレンジングリキッド」がオススメです。
まとめ:クレンジングは自分にぴったりの種類を探そう!
クレンジング剤の種類や特徴、使い分け方などがお分かりいただけたでしょうか。
クレンジング選びで大事なことは、自分の肌に合ったものをしっかりと選ぶということです。
クレンジング剤は、ベースが「オイル」か「水分」かによってメイクを落とす仕組みが違っているほか、界面活性剤の量にも違いがあります。
また、「洗浄力の強さと肌への刺激の強さは比例する」ため、洗浄力ばかりにこだわると、肌トラブルを起こす可能性もあります。
よくわからないままに妥協して選んでしまったクレンジング剤は、あなたの肌を少しずつ蝕んでいき、気づくとボロボロの肌を作ってしまうかもしれません。
未来の美肌をつくるために、今一度ご自身の使っているクレンジングの種類が自分にちゃんとあっているのかどうかを確認してみてくださいね。